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一
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はじめ
ふりがな文庫
“
一
(
はじめ
)” の例文
「それでこいつ自動車だのキッドの靴だのって、むやみに高いものばかり
強請
(
ねだる
)
んだな。みんな
一
(
はじめ
)
さんの持ってるのを見て来たんだろう」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この斎藤というのは名を
一
(
はじめ
)
と言い、藤堂平助と共に、江戸以来、近藤方の腹心であったが、今度は藤堂と相携えて御陵隊へ
馳
(
は
)
せ加わってしまった。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
石川啄木と同じく名は
一
(
はじめ
)
、享年二十七才、肺疾で短命を約束されてゐた彼は、俳壇の啄木といはれて惜しまれた。
九月朔日
(旧字旧仮名)
/
伊庭心猿
(著)
笠井
一
(
はじめ
)
さんは、作家である。ひどく貧乏である。このごろ、ずいぶん努力して通俗小説を書いている。けれども、ちっとも、ゆたかにならない。くるしい。
八十八夜
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
姉さんは
一
(
はじめ
)
さんを生んだときから子供にはばあやの乳があるので静さん吸っておくれといっておりおり私に乳を
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
そんな人のお
尻
(
しり
)
の所にすわって、もっとこっちにお出なさいな。……これが妹たちですの。どうかお友だちにしてくださいまし。お船で御一緒だった岡
一
(
はじめ
)
様。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一
(
はじめ
)
はそれで
納得
(
なっとく
)
して黙った。しかしすぐ第二の質問をかけた。前よりは一層奇抜なその質問は立派に三段論法の形式を具えていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
とりあげもいたしませなんだが
一
(
はじめ
)
が亡くなりましたときに母親の注意が足らなんだという批難がおこってまいりましたのはそれはもうなんといわれましてもお遊さんのおちどなのでござりまして子供を
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「宗近と云えば、
一
(
はじめ
)
もよっぽど
剽軽者
(
ひょうきんもの
)
だね。学問も何にも出来ない癖に大きな事ばかり云って、——あれで当人は立派にえらい気なんだよ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そしてたしかお遊さんが二十七のとしに亡くなった夫のわすれがたみの
一
(
はじめ
)
という
児
(
こ
)
が
痲疹
(
はしか
)
から肺炎になりまして病死いたしましたのでこの子供の死にましたことがお遊さんの身のうえにも引いては父のいっしょうにもひびいてまいったのでござります。
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「京都にはだいぶ御知合があるでしょう。京都の
方
(
かた
)
を
一
(
はじめ
)
さんに御世話なさいよ。京都には美人が多いそうじゃありませんか」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まだ学校から帰らない
百合子
(
ゆりこ
)
や
一
(
はじめ
)
の
噂
(
うわさ
)
に始まった叔母とお延の談話は、その時また偶然にも継子の方に
滑
(
すべ
)
り込みつつあった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると
一
(
はじめ
)
さんは大事な宗近家の御相続人だから私共へいらしっていただく訳にも行かず、また藤尾を差し上げる訳にも参らなくなりますから……
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
“一”を含む語句
一寸
一時
一昨日
一杯
唯一
一昨年
万一
一人
一切
一片
一通
同一
一日
一向
一方
一層
一端
一夜
一番
一生
...