太初はじめ)” の例文
太初はじめから「生命」を知らぬ砂山と、無窮に醒めて眠らぬ潮騒しほざゐの海との間に、三人の——生れたり死んだりする三人の男が居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ヨハネ伝は「太初はじめことばあり、言は神とともにあり、言は神なりき」という書きだしでもわかるように、神秘的・哲学的です。
太初はじめことばがあったかおこないがあったか、私はそれを知らない。しかし誰がそれを知っていよう、私はそれを知りたいとこいねがう。そして誰がそれを知りたいと希わぬだろう。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「解き得ぬなぞ」、「生きのなやみ」、「太初はじめのさだめ」、「万物流転ばんぶつるてん」、「無常の車」、「ままよ、どうあろうと」、「むなしさよ」、「一瞬ひとときをいかせ」の八部に分類した。
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
太初はじめことばあり。言は神とともにあり。言は神なりき。この言は太初に神とともに在り。よろずの物これにりて成り、成りたる物に一つとしてこれによらで成りたるはなし。之に生命いのちあり。
太初はじめにあり、神とともにあり、そしてすなわち神であるロゴスこそ彼がすべてのものを棄ててまでも求め出そうとするところのものである。しからばこれらの三つの道に共通なるものは何であるか。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
太初はじめありしごとく、現在いまあるごとく、常久とこしなえに。」
グーセフ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
誰が太初はじめ発見みつけたか
傾ける殿堂 (新字旧仮名) / 上里春生(著)
げに太初はじめことばあり
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
けれどもそれらの不安や失望が常に私を脅かすにもかかわらず、太初はじめの何であるかを知らない私には、自身をいてたよるべき何物もない。凡ての矛盾と渾沌こんとんとの中にあって私は私自身であろう。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
さだめは太初はじめからすっかりさだまっているのに
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
太初はじめのさだめ(26-34)
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)