“嚆矢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうし88.9%
はじめ5.6%
かうし2.8%
はじめて2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かせ。この天城四郎を善人だといった奴は、天下にうぬをもって嚆矢こうしとする。第一、俺にとって大なる侮辱だ。おれは悪人だ、大盗だ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
草木の風になびく様を戦々兢々と真面目まじめに形容したのは是公が嚆矢はじめなので、それから当分の間は是公の事を、みんなが戦々兢々と号していた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鴎外おうぐわい先生を主筆とせる「しがらみ草紙さうし」第四十七号に、謫天情僊たくてんじやうせん七言絶句しちごんぜつく、「読罪与罰上篇つみとばつじやうへんをよむ」数首あり。泰西たいせいの小説に題するの詩、嚆矢かうし恐らくはこの数首にあらんか。
奥のの最上等の座敷へ案内されて、ここを私の居間と定められたが、こんな立派な広いお座敷に寝るのは実に今夜が嚆矢はじめてだ、しかあとで考えるとこのお座敷が一向に有難くない
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)