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こうし
ふりがな文庫
“
嚆矢
(
こうし
)” の例文
吐
(
ぬ
)
かせ。この天城四郎を善人だといった奴は、天下に
汝
(
うぬ
)
をもって
嚆矢
(
こうし
)
とする。第一、俺にとって大なる侮辱だ。おれは悪人だ、大盗だ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それはかの通俗小説の作家として今では
最
(
も
)
う忘れられようとしている
Paul
(
ポオル
)
de
(
ド
)
Kock
(
コック
)
を以て
嚆矢
(
こうし
)
と
見做
(
みな
)
さなければならぬ。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
故田中耕造氏らとともに仏国の自由主義を講述しもって『政理叢談』を刊行せしことは、これ実に自由論派の
嚆矢
(
こうし
)
というべきか。
近時政論考
(新字新仮名)
/
陸羯南
(著)
寄りついたのは古井武右衛門君をもって
嚆矢
(
こうし
)
とするくらいな珍客であるが、その来訪の主意がわからんには主人も
大
(
おおい
)
に閉口しているらしい。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夫れに又先生には学会の必要を説かれて、東京生物学会なるものを起されたが、此生物学会が又本邦の学会の
嚆矢
(
こうし
)
でもある。
日本その日その日:01 序――モース先生
(新字新仮名)
/
石川千代松
(著)
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夫れに又先生には学会の必要を説かれて、東京生物学会なるものを起されたが、此生物学会が又本邦の学会の
嚆矢
(
こうし
)
でもある。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
鉄道を敷設してもって行旅の便に共せしは一八二五年ストックトンよりダーリントン〔ともに英の地名〕の間に開きたるものをもって
嚆矢
(
こうし
)
とす。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
然れどもこれを作詩の中心とし本義として
故
(
ことさ
)
らに
標榜
(
ひようぼう
)
する処あるは、
蓋
(
けだ
)
し二十年来の仏蘭西新詩を以て
嚆矢
(
こうし
)
とす。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
日本探偵小説の
嚆矢
(
こうし
)
とは此無惨を云うなり無惨とは面白し如何なること
柄
(
がら
)
を書しものを無惨と云うか是れは此れ当時都新聞の主筆者涙香小史君が得意の怪筆を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
或る程度まで舞台の上に採用されたのは、恐らくこれと「
新開場梅田神垣
(
しんかいじょううめだのかみがき
)
」(川尻宝岑作、二十一年一月、市村座)などが
嚆矢
(
こうし
)
ではないかと思うことである。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これ即ち法医学の
濫觴
(
らんしょう
)
にして、律法の庭に医師の進言の採用せられし
嚆矢
(
こうし
)
なりと聞けり。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この土地始まって以来我々をもって
嚆矢
(
こうし
)
とするということであり、ここへ来た以上は
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
邦人にして
独逸
(
ドイツ
)
語を以て独逸人の前で演説したのは余を以て
嚆矢
(
こうし
)
とすというような
論鋒
(
ろんぽう
)
で、一々『国民新聞』所載の文章を引いては、この処筆者の
風丰
(
ふうぼう
)
彷彿
(
ほうふつ
)
として見はると
畳掛
(
たたみか
)
けて
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
聞説
(
きくならく
)
、若林玵蔵子某席における圓朝が人情噺を
私
(
ひそ
)
かに速記し、のちこれを本人に示したとき、声の写真とはこれかと瞠目せしめたのが、実に本邦講談落語速記の
嚆矢
(
こうし
)
ではあるとされている。
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
それでキリスト教の演説会で演説者が腰を掛けて話をするのはたぶんこの講師が
嚆矢
(
こうし
)
であるかも知れない(満場大笑)、しかしながらもしこうすることが私の目的に
適
(
かな
)
うことでございますれば
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
明治三十九年に小島烏水君が
燕
(
つばくろ
)
、常念間を縦走したのが其
嚆矢
(
こうし
)
であろう。
山の今昔
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
我が国の女子にして新聞社員たりしは、実に
於菟
(
おと
)
女史を以て
嚆矢
(
こうし
)
とすべし。かくて女史は給料の余りを以て同志の婦女を助け、共に坂崎氏の家に同居して学事に
勉
(
つと
)
めしめ、自ら訓導の任に当りぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
これが大正十年、肺病全快広告としてあらわれた写真の
嚆矢
(
こうし
)
である。
勧善懲悪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
いわんや写真や記文は下手ながらこれが
嚆矢
(
こうし
)
であると考えている。
平ヶ岳登攀記
(新字新仮名)
/
高頭仁兵衛
(著)
ともあれ、
箏曲
(
そうきょく
)
の劇壇への進出は、朱絃舎浜子を
嚆矢
(
こうし
)
とする。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
中村屋の店葬はこの人をもって
嚆矢
(
こうし
)
とします。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
新聞物上演の
嚆矢
(
こうし
)
であろう。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
終
(
つい
)
にいわゆる内閣分離を見るに至る、この分離は翌年に及んでかの有名なる民選議院論に変じ、立憲政体催促の
嚆矢
(
こうし
)
となれり。
近時政論考
(新字新仮名)
/
陸羯南
(著)
もって、
嚆矢
(
こうし
)
とするじゃろう。いや、
其許
(
そこもと
)
は実に、正直者じゃからのう。そこがまた、勇者たる質のある
所以
(
ゆえん
)
かもしらぬて
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
単に歴史をありのままに見せるに過ぎないという、一種の
冷罵
(
れいば
)
を意味している名称で、絵入新聞に
仮名垣魯文
(
かながきろぶん
)
がこう書いたのが
嚆矢
(
こうし
)
であるとか伝えられている。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
欧洲において日本の画家一人を主題としたる出版物はけだしこれを以て
嚆矢
(
こうし
)
となす。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私が
嚆矢
(
こうし
)
ではないかと思います。
私の小売商道
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
(著)
アメリカの船員が我が役人らを撮影し、あわせてその技術を教えたのが
嚆矢
(
こうし
)
であると云う。その以来、写真術は横浜に広まって、江戸から修業にゆく者もあった。
半七捕物帳:59 蟹のお角
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「古今にわたって、こういう乗物を戦陣で用いた武将はあるかの。わしを以て
嚆矢
(
こうし
)
とするだろうな」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
如何となれば巴里風のカッフェーが東京市中に開かれたのは実に松山画伯の AU PRINTEMPS を以て
嚆矢
(
こうし
)
となすが故である。当時都下に洋酒と洋食とを鬻ぐ店舗はいくらもあった。
申訳
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これが講談落語の速記本の
嚆矢
(
こうし
)
であろうと思われるが、その当時には珍しいので非常に流行した。
寄席と芝居と
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
骨相寒厳といった風貌の人で、逸事も非常に多く、わけて、後水尾上皇の御信任厚く、古来禁中での内裏殿上の説法は、禅林では愚堂を以て
嚆矢
(
こうし
)
とするといわれている。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
御剃髪
(
ごていはつ
)
と同時に、肉食をお始めになられた御出家は、古今、殿をもって
嚆矢
(
こうし
)
といたしましょう」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたしの知っている限りでは、局外者の作物が何らの添削を加えられずに、そのまま歌舞伎劇の舞台にのぼせられたのは、明治以来これが
嚆矢
(
こうし
)
であろうと思う。松葉は後の
松翁
(
しょうおう
)
君である。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
やがてこれが海軍兵学校の
嚆矢
(
こうし
)
をなしたものである。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嚆
漢検1級
部首:⼝
16画
矢
常用漢字
小2
部首:⽮
5画
“嚆”で始まる語句
嚆