“仮名垣魯文”の読み方と例文
旧字:假名垣魯文
読み方割合
かながきろぶん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兼吉は綽号あだなを鳥羽絵小僧と云った。想うに鳥羽屋の小僧で、容貌ようぼうが奇怪であったからの名であろう。即ち後の仮名垣魯文かながきろぶんである。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
採菊山人はすなわち山々亭有人さんさんていありんどにして仮名垣魯文かながきろぶんの歿後われら後学の徒をして明治の世に江戸戯作者の風貌を窺知うかがいしらしめしもの実にこの翁一人いちにんありしのみ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
一方には当時諷刺ふうし諧謔かいぎゃくとで聞こえた仮名垣魯文かながきろぶんのような作者があって、すこぶるトボケた調子で、この世相をたくみな戯文に描き出して見せていた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)