はじめ)” の例文
私は通学の際にはたいてい近所に住んでいるはじめさんという子と誘い合わせて行った。ときには、はじめさんの妹ののぶちゃんと行くこともあった。二人とも私の竹馬ちくばの友である。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
同じ事許り繰返していふ樣だが、實際どうも、はじめさんの爲方やりかたにや困つて了ふね。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
正月下旬、千種有文ちぐさありふみの家来賀川はじめを襲撃した中にもいたというし、つい先頃の足利尊氏あしかがたかうじの木像梟首きょうしゅ事件にも、かかわっていたという風説がある。学問好きで、そんな実行家じゃないと思ったが
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの——笹原のはじめって云うんです。
千世子(三) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)