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初
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はじめ
ふりがな文庫
“
初
(
はじめ
)” の例文
初
(
はじめ
)
よりその辺に在り、なお手に及ばざるものあれば、力をあはせとりひしぎて、走らすことなかりしかば、かくても人の知らざりけり
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
初
(
はじめ
)
のようにからかう勇気がなくなり、
此方
(
こっち
)
も巡査の様子を見詰めていると、巡査はやはりだまったままわたくしの紙入を調べ出した。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
わが年はまだ十三にて、
初
(
はじめ
)
は何事ともわきまへざりしが、
後
(
のち
)
には男の顔色もかはりておそろしく、われにでもあらで、水に
躍入
(
おどりい
)
りぬ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
神事
(
じんじ
)
をはれば人々
離散
(
りさん
)
して普光寺に入り、
初
(
はじめ
)
棄置
(
すておき
)
たる
衣類
(
いるゐ
)
懐中
(
くわいちゆう
)
物を
視
(
み
)
るに
鼻帋
(
はながみ
)
一枚だに
失
(
うす
)
る事なし、
掠
(
かすむ
)
れば
即座
(
そくざ
)
に
神罰
(
しんばつ
)
あるゆゑなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
◯英の天然詩人ウォルズオス、彼は少時より天然を熱愛せしといえども、しかも
初
(
はじめ
)
より天然を以て
悉
(
ことごと
)
く足れりとした人ではなかった。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
人間
(
じんかん
)
ニ政府ヲ
立
(
たつ
)
ル所以ハ、此通義ヲ固クスルタメノ趣旨ニテ、政府タランモノハ其臣民ニ満足ヲ得セシメ
初
(
はじめ
)
テ真ニ権威アルト云フベシ。
アメリカ独立宣言
(新字旧仮名)
/
トマス・ジェファーソン
(著)
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く新しき事態が間断なく継起し、新しき問題がそれと共に続出して来ると、
初
(
はじめ
)
の志向や欲求はそれによって漸次変化を受け
歴史の矛盾性
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
頃
(
ころ
)
しも一月の
初
(
はじめ
)
つ
方
(
かた
)
、春とはいへど名のみにて、
昨日
(
きのう
)
からの大雪に、野も山も岩も木も、
冷
(
つめた
)
き
綿
(
わた
)
に包まれて、寒風
坐
(
そぞ
)
ろに堪えがたきに。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
ええ、
大分
(
だいぶん
)
の高だというよ。
初
(
はじめ
)
ッからお雪さんは嫌っていた男だってね。私も知ってる
奴
(
やつ
)
だよ。万吉てッて、
通
(
とおり
)
の金持の息子なの。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なに
)
となく
薄淋
(
うすさび
)
しくなつた
浪
(
なみ
)
の
面
(
おも
)
を
眺
(
なが
)
めながら、
胸
(
むね
)
の
鏡
(
かゞみ
)
に
手
(
て
)
を
措
(
を
)
くと、
今度
(
こんど
)
の
航海
(
かうかい
)
は
初
(
はじめ
)
から、
不運
(
ふうん
)
の
神
(
かみ
)
が
我等
(
われら
)
の
身
(
み
)
に
跟尾
(
つきまと
)
つて
居
(
を
)
つた
樣
(
やう
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
江戸の方では開国の
初
(
はじめ
)
とは云いながら、幕府を始め諸藩大名の屋敷と云う者があって、西洋の新技術を求むることが広く
且
(
か
)
つ
急
(
きゅう
)
である。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そうだ! そんなことは幾何でもある、
俺
(
わし
)
もそう思ってやったのだ。が、向うでは
初
(
はじめ
)
から
謀
(
はか
)
ってやった仕事だ。俺が少しでも、
蹉
(
つまず
)
くのを
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
梅子は固より
初
(
はじめ
)
から
断
(
た
)
えず
口
(
くち
)
を
動
(
うご
)
かしてゐた。其努力の
重
(
おも
)
なるものは、無論自分の前にゐる令嬢の遠慮と沈黙を打ち崩すにあつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
初
(
はじめ
)
のうちは、僕のそばで、まだ君の静かな息がして居った。そのうち君は立ち上った。そして石段へ腰をかけたじゃないか……。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
初
(
はじめ
)
のうちは、例の壁の怪鳥に気を取られ、時々そっと振返って見ていたが、遂にそれも忘れて、殆ど夢中で観測に没頭していた。
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
初
(
はじめ
)
の幕は文豪の書斎である。モリエエルは机に
向
(
むか
)
つて脚本「
良人学校
(
りやうじんがくかう
)
」に筆を着けて居る。
其処
(
そこ
)
へ小娘のアルマンが
入
(
はひ
)
つて来る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
その説に従えば、骨董は
初
(
はじめ
)
は古銅器を指したもので、後に至って玉石の器や書画の類まで、すべて古いものを称することになったのである。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
享保
(
きやうほ
)
の
初
(
はじめ
)
の
頃
(
ころ
)
將軍吉宗公
町奉行
(
まちぶぎやう
)
大岡越前守と
御評議
(
ごひやうぎ
)
あつて或は
農工商
(
のうこうしやう
)
罪
(
つみ
)
なるものに仰付けられ
追放
(
つゐはう
)
遠島
(
ゑんたう
)
の
替
(
かは
)
りに金銀を以て
罪
(
つみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
自分がこの稿に筆を附けようとした
初
(
はじめ
)
に今更の如く気が附いたのは、従来自分が自身の貞操という事について全く無関心でいたことである。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
また
初
(
はじめ
)
に「
藻汐
(
もしお
)
焼
(
や
)
く」と置きしゆえ後に煙とも言いかねて「あまのしわざ」と主観的に置きたるところいよいよ俗に
堕
(
お
)
ち申候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
國民
(
こくみん
)
の
消費節約
(
せうひせつやく
)
の
程度
(
ていど
)
が
此儘
(
このまゝ
)
で
持續
(
ぢぞく
)
すれば、
初
(
はじめ
)
て
日本
(
にほん
)
の
經濟界
(
けいざいかい
)
の
基礎
(
きそ
)
は
安固
(
あんこ
)
なものになる、
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
つて
宜
(
よ
)
いのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
二
度目
(
どめ
)
のおかみさんには、
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
が
生
(
う
)
まれました。
初
(
はじめ
)
のおかみさんの
子
(
こ
)
は、
血
(
ち
)
のように
赤
(
あか
)
く、
雪
(
ゆき
)
のように
白
(
しろ
)
い
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
でした。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
學校
(
がくかう
)
といふのは
此大島小學校
(
このおほしませうがくかう
)
ばかり、
其以外
(
そのいぐわい
)
にはいろはのいの
字
(
じ
)
も
學
(
まな
)
ぶ
場所
(
ばしよ
)
はなかつたので
御座
(
ござ
)
います。
僕
(
ぼく
)
も
初
(
はじめ
)
は
不精々々
(
ふしやう/″\
)
に
通
(
かよ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
老人の顔附は
最
(
い
)
と
穏
(
おだや
)
かにして
笑
(
えみ
)
を浮めしとも云う
可
(
べ
)
く
殊
(
こと
)
に唇などは今しも友達に向いて親密なる話を
初
(
はじめ
)
んとするなるかと疑わる、読者記臆せよ
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
彼の露西亜の学者みたようにあってこそ、
初
(
はじめ
)
て真の専門学者が出来るのであるが、今日の日本では中々そうは行かない。
教育の目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
サア
其
(
そ
)
の
翌日
(
よくじつ
)
から
教頭
(
けうとう
)
の
宅
(
たく
)
に
葉書
(
はがき
)
が
盛
(
さか
)
んに
舞
(
ま
)
ひこむ。
初
(
はじめ
)
は二十
枚
(
まい
)
か三十
枚
(
まい
)
だつたが、
追々
(
おひ/\
)
五十
枚
(
まい
)
となり、百
枚
(
まい
)
となり、二百
枚
(
まい
)
となり、三百
枚
(
まい
)
となつた。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
けれど、母親が気を
揉
(
も
)
むまでも無く、
幾程
(
いくほど
)
もなくお勢は我から自然に様子を変えた。まずその
初
(
はじめ
)
を云えば、こうで。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
一方道で是非彼処を参らなければなりませんが、彼処に福田屋龍藏親分が住居致して居りまして通ります人の休み
処
(
どこ
)
で飴菓子を売って居ましたのが
初
(
はじめ
)
で
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
初
(
はじめ
)
の内は私も
胆
(
きも
)
をつぶして、万一火事にでもなっては大変だと、何度もひやひやしましたが、ミスラ君は静に紅茶を飲みながら、一向騒ぐ
容子
(
ようす
)
もありません。
魔術
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然に此篇のお夏は、主人の娘として
下僕
(
かぼく
)
に情を寄せ、其情は
初
(
はじめ
)
に
肉情
(
センシユアル
)
に起りたるにせよ、
後
(
のち
)
に
至
(
いたり
)
て立派なる
情愛
(
アツフヱクシヨン
)
にうつり、
果
(
はて
)
は
極
(
きはめ
)
て神聖なる
恋愛
(
ラブ
)
に迄進みぬ。
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
初
(
はじめ
)
ての時は何処迄も河原を辿ろうとして大困難をした。そして偶然ホラノ貝へ下り込んで泊ったのである。
釜沢行
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
彌子
(
びし
)
の
行
(
おこなひ
)
未
(
いま
)
だ
初
(
はじめ
)
に
變
(
かは
)
らざるに、
前
(
まへ
)
には
賢
(
けん
)
とせられて、
後
(
のち
)
には
罪
(
つみ
)
を
獲
(
う
)
る
者
(
もの
)
は、
(一〇九)
愛憎
(
あいぞう
)
の
至變
(
しへん
)
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
その祖父八木
初
(
はじめ
)
といふ人は、川越松平藩士で、會津戰爭のとき、越後法師温泉にて、敵方の隊長河合某を六連發のピストル
*
にて打ちとつたことのある人である。
萩原朔太郎
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
夏の
初
(
はじめ
)
には二、三寸離れていても蠅は石油の匂いで
昏倒
(
めをまわ
)
して石油の中へ落ちてそのまま死にます。柱にとまっているのでも下から小皿を出すとコロコロ落ちます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
九月六日朝、はからず京師寺町ニ川村
盈進
(
えいしん
)
入道ニ行合、幸御一家の御よふす承り御機嫌宜奉
二
大賀
一
候。
二
(
つぎ
)
ニ私共
初
(
はじめ
)
、
太郎
(
高松
)
無
二
異儀
一
憤発出
勢
(
精
)
罷在、御安慮奉
レ
願候。
手紙:016 慶応元年九月七日 坂本権平、乙女、おやべあて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
抑
(
そもそも
)
此集、
初
(
はじめ
)
ニ雄略舒明両帝ノ民ヲ恵マセ給ヒ、世ノ治マレル事ヲ悦ビ思召ス御歌ヨリ次第ニ
載
(
のせ
)
テ、今ノ歌ヲ以テ一部ヲ祝ヒテ
終
(
ヲ
)
ヘタレバ、
玉匣
(
たまくしげ
)
フタミ相
称
(
カナ
)
ヘル
験
(
しるし
)
アリテ
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「多分、平泉館の記録というのは、
初
(
はじめ
)
のうちは大事だったけれど、今ではもう秘密でもなんでもないんだワ。——滝山さんも、唐崎という人も自由に見られるのでしょう」
水中の宮殿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ある
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
の
初
(
はじめ
)
、
館
(
やかた
)
の
森
(
もり
)
に
蝉時雨
(
せみしぐれ
)
が
早瀬
(
はやせ
)
を
走
(
はし
)
る
水
(
みず
)
のように、
喧
(
かまびず
)
しく
聞
(
きこ
)
えている、
暑
(
あつ
)
い
真昼過
(
まひるす
)
ぎのことであったと
申
(
もう
)
します——
館
(
やかた
)
の
内部
(
うち
)
は
降
(
ふ
)
って
湧
(
わ
)
いたような
不時
(
ふじ
)
の
来客
(
らいきゃく
)
に
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
さりながら京の様子を
窺
(
うかが
)
いますと、わたくしのまだ居残っておりました九月の
初
(
はじめ
)
には嵯峨の
仁和
(
にんな
)
、
天竜
(
てんりゅう
)
の両
巨刹
(
きょさつ
)
も兵火に滅びましたし、船岡山では大合戦があったと申します。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
誰に手をひっぱられたのか、どこをどう通ったのか、どれ位時が経ったのか、やがてまるで端唄をうたうような意気な調子の高砂やの声に
初
(
はじめ
)
てはっと眼覚める想いで、声の主をみた。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
その負担をのがれる為めと、やゝもすれば身辺に近づいて来る画像の誘惑から遠ざかる為めと、もひとつ彼の思ひつきの為めに彼は翌年の春の
初
(
はじめ
)
、寺のうしろの畑地の隅に居を移した。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
そこで、
初
(
はじめ
)
の
日
(
ひ
)
は
妻籠
(
つまご
)
に
泊
(
とま
)
りまして
翌朝
(
よくあさ
)
また
伯父
(
をぢ
)
さんに
連
(
つ
)
れられて
出掛
(
でか
)
けました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「この鉄砲は少し狙ひが悪いよ。
初
(
はじめ
)
いゝと思つたが——」と健ちやんは云つた。
周一と空気銃とハーモニカ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
初
(
はじめ
)
にアンドレイ、エヒミチは
熱心
(
ねつしん
)
に
其職
(
そのしよく
)
を
勵
(
はげ
)
み、
毎日
(
まいにち
)
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで、
診察
(
しんさつ
)
をしたり、
手術
(
しゆじゆつ
)
をしたり、
時
(
とき
)
には
産婆
(
さんば
)
をも
爲
(
し
)
たのである、
婦人等
(
ふじんら
)
は
皆
(
みな
)
彼
(
かれ
)
を
非常
(
ひじやう
)
に
褒
(
ほ
)
めて
名醫
(
めいゝ
)
である、
殊
(
こと
)
に
小兒科
(
せうにくわ
)
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
初
(
はじめ
)
、縄は野生の植物を其儘用ゐて、綯ふ必要は殆無かつた。つた・つら・つるなど言うた。太く強くする為、縒り合せねばならぬ。さうして縒つた蔓が出来た。或はしもとを縒つて使つた。
熟語構成法から観察した語根論の断簡
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
初
(
はじめ
)
のうちは、おばあさんのすきをうかがって逃げ出そうと思った位ですが、何をいうにもおばあさんが余り
真面目
(
まじめ
)
で正直なものですから、そんな
狡
(
ずる
)
いことをして、逃げることもなりません。
でたらめ経
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
さるを今しもかう無き名など世にうたはれて
初
(
はじめ
)
て処せくなりぬるなん
口惜
(
くちお
)
しとも口惜しかるべきは常なれど、心はあやしき物なりかし、この頃降りつゞく雨の夕べなどふと有し閑居のさま
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
初
(
はじめ
)
は
朝
(
あさ
)
まだきに
馬
(
うま
)
の
秣
(
まぐさ
)
の一
籠
(
かご
)
を
刈
(
か
)
るに
過
(
すぎ
)
ないけれど、
燬
(
や
)
くやうな
日
(
ひ
)
のもとに
畑
(
はた
)
も
漸
(
やうや
)
く
極
(
きまり
)
がついて
村落
(
むら
)
の
凡
(
すべ
)
てが
皆
(
みな
)
草刈
(
くさかり
)
に
心
(
こゝろ
)
を
注
(
そゝ
)
ぐ
樣
(
やう
)
に
成
(
な
)
れば、
若
(
わか
)
い
同志
(
どうし
)
が
相
(
あひ
)
誘
(
さそ
)
うては
遠
(
とほ
)
く
林
(
はやし
)
の
小徑
(
こみち
)
を
分
(
わけ
)
て
行
(
ゆ
)
く。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
初
(
はじめ
)
には天と同じ色の
真青
(
まっさお
)
な石を使おうと思っていたが、地上にはそんなに多くはないし、大きい山を使ってしまうには惜しいし、時に賑やかなところにいって、小さいのを探すこともあったが
不周山
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
右の燒打を
初
(
はじめ
)
として、翌年正月の
鳥羽
(
とば
)
、
伏見
(
ふしみ
)
の戰ひ、其他すべては「
文藝倶樂部
(
ぶんげいくらぶ
)
」の臨時増刊、第九年第二號「諸國年中行事」といふ
中
(
うち
)
に、「三十五
年前
(
ねんぜん
)
」と題して私は委しく話した事がある。
兵馬倥偬の人
(旧字旧仮名)
/
塚原渋柿園
、
塚原蓼洲
(著)
“初”の意味
《名詞》
初(はつ)
はじめ。はじまって間もない時期。
第一回。
ある期間のなかで最も先。
対義語:末
(出典:Wiktionary)
初
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“初”を含む語句
最初
初々
初更
劫初
当初
初声
初子
初見参
初詣
出初
初心
初春
見初
太初
初日
初瀬詣
初生
初手
初夏
初陣
...