“基礎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きそ44.1%
どだい29.4%
いしずえ11.8%
いしずゑ5.9%
もと2.9%
もとい2.9%
もとゐ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、私が話したことだけは、間違まちがいのないことだから、それを基礎きそにして、これからのすべての報道を冷静に判断してもらいたい。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
竹翁の昔より続いた橋本の家が一夜のうちに基礎どだいからして動揺ぐらついて来たことや、子がそれをこわさずに親が壊そうとしたことや
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
が、取るものは十分取ったのだし、考えてみれば、惜しくもないおせい様なのだ。磯屋の店は、もう基礎いしずえがしっかりすわっていて、大丈夫だ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
小高い基礎いしずゑの周囲には風が吹寄せた木の葉が黄色く又は赭く湿れ色を見せて居り、中ぐらゐな大さの鐘が、漸く逼る暮色の中に、裾は緑青の吹いた明るさと
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「自己が基礎もとではないか。いかなるわざも自己の発顕ほつげんじゃ。自己すら考えぬなどという人間が、他のために何ができる」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでたいていの人は、ために神経衰弱になってしまう。あるいは何かの拍子で、その素性が暴露あらわれて、折角築き上げた営業の基礎もといをも、空しく棄てねばならぬことになるのです。
融和促進 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
しつかりした基礎もとゐのないこの新しい劇團は、うこれで凡が滅びてしまふ運命を持つてゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)