基礎いしずえ)” の例文
が、取るものは十分取ったのだし、考えてみれば、惜しくもないおせい様なのだ。磯屋の店は、もう基礎いしずえがしっかりすわっていて、大丈夫だ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
是故に凡て我が此言を聴きて之を行う者はいわの上に家を建し智人かしこきひとに譬えられん、雨降り、大水出で、風吹きて其家をうちたれども倒れざりき、そは磐をその基礎いしずえと為したれば也
右手に鐘楼しょうろうがあって、小高い基礎いしずえの周囲には風が吹寄せた木の葉が黄色くまたはあか湿いろを見せており、中ぐらいなおおきさの鐘が、ようやせまる暮色の中に、裾は緑青ろくしょうの吹いた明るさと
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
塔は何より地行じぎょうが大事、空風火水の四ツを受ける地盤の固めをあれにさせれば、火の玉鋭次が根性だけでも不動が台座の岩より堅く基礎いしずえしかとえさすると諸肌もろはだぬいでしてくるるは必定ひつじょう
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)