“磐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いわ47.1%
いわお11.8%
いは11.8%
いはほ5.9%
かね5.9%
ばん5.9%
イハ5.9%
5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
根雪が氷のようにいわになって、その上を雪解けの水が、一冬の塵埃じんあいに染まって、泥炭地でいたんちのわき水のような色でどぶどぶと漂っている。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
柏軒の子で、後に徳安とくあんと称し、維新後にいわおあらためた人である。成斎は手にむちを執って、正面に坐していて、筆法を誤ると、鞭のさきゆびさし示した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
波から来る光の網が、底の白いいはの上で美しくゆらゆらのびたりちゞんだりしました。泡や小さなごみからはまつすぐな影の棒が、斜めに水の中に並んで立ちました。
やまなし (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
後年先生の嗣子いはほ君が困窮に陥つた時わたくしに、父がもつと長く生きてゐてくれたら、こんな目には逢ふまいと謂つたことがある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
小さなかねを鳴らして、片手に黒塗の椀をもって、戸毎こごと、戸毎に立って、経を唱え托鉢をして歩いた。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
みツつ」とうぐひすのやうなこゑそでのあたりがれたとおもへば、てふひとツひら/\とて、ばんうへをすつとく……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其為に時としてはかへつて逆に、古い世にこそ、庶物の精霊が神言をなしたものとすら考へる様になつた。「イハね」「ねだち」「草のかき葉」も神言を表する能力があつたとする考へが是である。