いはほ)” の例文
後年先生の嗣子いはほ君が困窮に陥つた時わたくしに、父がもつと長く生きてゐてくれたら、こんな目には逢ふまいと謂つたことがある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あれを赭顔あからがほにすると、先生そつくりであつたのだ。先年わたくしはいはほの名義を以て、長谷寺に於て先生の法要を営んだことがある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
柏軒の家では九日にせふ春が次男鉄三郎を生んだ。後徳安とくあんと改称し、立嫡りつてきせられて父の後を襲ぎ、磐安ばんあんと云ひ、維新の時に及んでいはほと称した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)