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はじめ
ふりがな文庫
“
最初
(
はじめ
)” の例文
照子嬢も声鋭く、「それは売物です。」と
遣込
(
やりこ
)
むれば、
濶歩
(
おおまた
)
に引返し、「だから
最初
(
はじめ
)
に聞いたじゃないか、
価値
(
ねだん
)
が
解
(
わか
)
れば払うのさ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これはつまり
土地
(
とち
)
の
御守護
(
ごしゅご
)
に
当
(
あた
)
らるる
神様
(
かみさま
)
でございまして、その
御本体
(
ごほんたい
)
は
最初
(
はじめ
)
から
活
(
い
)
き
通
(
どお
)
しの
自然霊
(
しぜんれい
)
……つまり
竜神様
(
りゅうじんさま
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それらを
幸
(
さち
)
なき柴木のもとにあつめよ、我は
最初
(
はじめ
)
の
守護
(
まもり
)
の神をバーティスタに變へし
邑
(
まち
)
の者なりき、かれこれがために 一四二—一四四
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
俺も
最初
(
はじめ
)
はわからなかつたが、後でわかつたよ。あの番頭は後家のお富と
懇
(
ねんご
)
ろになつて、鳴海屋の乘つ取りを目論んだのさ。お富は後家を
銭形平次捕物控:208 青銭と鍵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
矢
(
や
)
はり自分が
最初
(
はじめ
)
に疑っていた通り、
生死
(
しょうし
)
不明の父は
此
(
この
)
穴の底深き処に葬られているのかも知れぬ。それにしても、お杉は
何
(
ど
)
うしたろう。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
柳沢は
最初
(
はじめ
)
から、私が
階段
(
はしごだん
)
を上って来たのを、じろじろと用心したような眼つきで
瞻
(
みまも
)
ったきり口一つ利かないでやっぱり黙りつづけていた。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
さよう、左門はその位置に、片膝を敷き、片膝を立て、刀を逆ノ脇に構え、
最初
(
はじめ
)
から
現在
(
いま
)
まで、
寂然
(
せきぜん
)
と潜んでいたのであった。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
マーキュ いや、こんな
阿呆
(
あほ
)
らしい
拔駈
(
ぬけがけ
)
の
競爭
(
きゃうさう
)
は
最早
(
もう
)
中止
(
やめ
)
ぢゃ。
何故
(
なぜ
)
と
言
(
い
)
へ、
足下
(
おぬし
)
は
最初
(
はじめ
)
からぬけてゐるわ。
何
(
なん
)
と、
頭拔
(
づぬ
)
けた
洒落
(
しゃれ
)
であらうが。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
(役場の方は四ヶ月許りで
罷
(
や
)
めて了つた。)
最初
(
はじめ
)
、朝晩の礼拝に
皆
(
みんな
)
と一緒になつて御神楽を踊らねばならなかつたのには、少からず弱つたもので
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
物は
最初
(
はじめ
)
が大切だそうだ。初めて逢った時
可厭
(
いや
)
だと思った人は何時までも可厭だとは、お花姉さんの
始終
(
しょっちゅう
)
言う事だ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
女は
最初
(
はじめ
)
から覚悟していたらしく、静かに元の肘掛椅子に腰を下して、矢張り石のように冷やかな姿でうなだれた。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
最初
(
はじめ
)
のうちの作曲や歌詞は、それをよく知ってつくられているが、段々大物にしようとしたところに無理がある。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
最初
(
はじめ
)
黒沢商店の角で五拾銭銀貨を恵んだのが却て悪い例となり、恵まれぬ時は悪声を放つので、人だかりのするのが
厭
(
いや
)
さにまた五拾銭やるようになってしまう。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それにつけても
案
(
あん
)
じられるは
園樣
(
そのさま
)
のこと、
何
(
なん
)
の
余計
(
よけい
)
の
世話
(
せわ
)
ながら
何故
(
なぜ
)
か
最初
(
はじめ
)
から
可愛
(
かわゆ
)
くて
眞實
(
しんじつ
)
の
處
(
ところ
)
一日
見
(
み
)
ぬも
氣
(
き
)
になる
位
(
くらい
)
なれど、さりとて
何時
(
いつ
)
來
(
き
)
ても
喜
(
よろこ
)
ばれるでもなく
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
なかなか私に言えそうもなかッたから、
最初
(
はじめ
)
は小万に頼んで話してもらうつもりだッたのさ。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
「そして、前よりも大分
蒼
(
あを
)
ざめてゐますね——
最初
(
はじめ
)
、見たときよりも。どうしたのです?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
元より大病というではありませんから今はお
医師
(
いしゃ
)
にもかゝらず、たゞ気まかせにさせてあるんで、尤も
最初
(
はじめ
)
のうちは晋齋も可愛そうだと思召し、せめて病気だけは
癒
(
なお
)
してやろうと
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
最初
(
はじめ
)
はさすがに熱もはげしく上りて、ベッドの上のうわ言にも手を
戟
(
ほこ
)
にして敵艦をののしり分隊長と叫びては医員を驚かししが、もとより血気盛んなる若者の、傷もさまで重きにあらず
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「その驚きは
道理
(
ことわり
)
でおじゃる。おれも
最初
(
はじめ
)
はそうとも知らず『何やらん草中に
呻
(
うめ
)
いておる者のあるは熊に噛まれた鹿じゃろうか』と行いて見たら、おどろいたわ、それがかの二方でおじゃッたわ」
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
一体どうした
情由
(
わけ
)
だと、
最初
(
はじめ
)
は物柔かに尋ねたが、妹は容易にその仔細を明かさずただ一刻も
彼
(
あ
)
の邸には居られませぬと云う。
お住の霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それかの
女
(
をんな
)
は、
最初
(
はじめ
)
の夫を失ひてより、千百年餘の間、
蔑視
(
さげす
)
まれ
疎
(
うと
)
んぜられて、彼の出るにいたるまで招かるゝことあらざりき 六四—六六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
柳
(
やなぎ
)
に
渡
(
わた
)
る
風
(
かぜ
)
もなし、
寂然
(
しん
)
として、よく
聞
(
きこ
)
える……たゞ
空
(
そら
)
走
(
はし
)
る
雲
(
くも
)
ばかり、
月
(
つき
)
の
前
(
まへ
)
を
騷
(
さわ
)
がしい、が、
最初
(
はじめ
)
から
一
(
ひと
)
ツ
一
(
ひと
)
ツ、
朗
(
ほがらか
)
な
聲
(
こゑ
)
が
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひゞ
)
くのであつた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
最初
(
はじめ
)
を如何にと申すに、吾家に祖先より伝はれる一軸の絵巻物のはべり。中に美婦人の裸像を描き
止
(
とど
)
めたり。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
然
(
そ
)
うとも然うとも。よす方が宜い。
素々
(
もともと
)
芳夫さんは三越の店員って柄じゃない。
俺
(
わし
)
は
最初
(
はじめ
)
から不賛成だった」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それから先の
連合
(
つれあい
)
に嫁いでさんざん苦労もするし、そりゃおもしろいことも
最初
(
はじめ
)
のうちはありましたさ。
雪の日
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
最初
(
はじめ
)
逢
(
あ
)
つた時から俺は、あの眼は氣違ひの眼ぢやないし、言ふことも拵へ事のやうな氣がしたよ
銭形平次捕物控:208 青銭と鍵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「白ばら」は
最初
(
はじめ
)
ての
閨秀
(
けいしゅう
)
作家号に
載
(
の
)
るし、「小町湯」や美妙との合作もつづいて発表された。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
モン長
此
(
この
)
舊
(
ふる
)
い
爭端
(
さうたん
)
をば
何者
(
なにもの
)
が
新
(
あたら
)
しう
發
(
ひら
)
きをったか?
甥
(
をひ
)
よ、おぬしは
最初
(
はじめ
)
から
傍
(
そば
)
にゐたか?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
最初
(
はじめ
)
いひ出し時にやふやながら
結局
(
つまり
)
は宜しと有し言葉を頼みに、又の機嫌むつかしければ五月蠅いひては却りて如何と今日までも我慢しけれど、約束は今日と言ふ大晦日のひる前
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
突然、その時裏庭に向いた、障子一杯に蒼白い、燐の火が燃え立つと思う間もなく、
巨
(
おお
)
きな女の頭の影が、髪をおどろに振り乱し、
最初
(
はじめ
)
に一つやがて二つ、それから三つ映って見えた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
況
(
まし
)
て市郎は、
最初
(
はじめ
)
から
彼
(
か
)
のお葉という女を意中は
愚
(
おろか
)
、眼中にも置いて居なかったのであるが、今日の一件に出逢って
聊
(
いささ
)
か意外の感を
作
(
な
)
した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
天は汝等の心の
動
(
うごき
)
に
最初
(
はじめ
)
の
傾向
(
かたむき
)
を與ふれども、凡てに於て然るにあらず、また假りに然りと見做すも汝等には善惡を知るの光と 七三—七五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
最初
(
はじめ
)
その女が路を歩いている時
背後
(
うしろ
)
から一人
跟
(
つ
)
けて来た男があった、ということを通行人が告げたので、女は
身装
(
みなり
)
の
可
(
い
)
い上に、容色が抜群であるから、掬摸か
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「どうぞ皆さん……」なんて言って「第一に」と又
最初
(
はじめ
)
から芸当のやり直しをしている。最早喧嘩だ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
最初
(
はじめ
)
いひ
出
(
いで
)
し時にやふやながら
結局
(
つまり
)
は
宜
(
よ
)
しと有し言葉を頼みに、又の機嫌むつかしければ
五月蠅
(
うるさく
)
いひては
却
(
かへ
)
りて
如何
(
いかが
)
と今日までも我慢しけれど、約束は今日と言ふ
大晦日
(
おほみそか
)
のひる前
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「本当に——
最初
(
はじめ
)
はくやしいと思っても、段々
馴
(
な
)
れて、それに反抗心も出て、勝手になんでも言うが
好
(
い
)
い、いくらでも書くが好いという気になって、意地悪になってしまって……」
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
あの
抽斗
(
ひきだし
)
も、下の方の、お前の僅ばかりの物で、
重
(
おも
)
なるものの入っていそうな処は、
最初
(
はじめ
)
から錠を下してあったが、でも上の二つは、——私の物も少しは入っているし、——何か知ら
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「僕だって
最初
(
はじめ
)
は知らなかった……本来なれば
紅玉
(
エルビー
)
は、阿片窟征伐のあの晩に張教仁に助けられて安全の所にいる筈だが、その後袁更生の魔術の手にまた奪い返されたものと思われるね」
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
図星
(
ずぼし
)
なんで……ヘエ。もっとも
最初
(
はじめ
)
から
殺
(
や
)
る気じゃなかったんで、みんながあの小僧は女だ女だって云いましたからね。仕事にかからせる前にチョット調べて見る気であすこに引っぱり込んだんで……ヘエ……」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
我は
最初
(
はじめ
)
の響きに心をとめてかなたにむかひ、うるはしき
調
(
しらべ
)
にまじれる聲のうちにテー・デウム・ラウダームスを聞くとおぼえぬ 一三九—一四一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
彼は中々の
横着者
(
おうちゃくもの
)
で、
最初
(
はじめ
)
は
兎角
(
とかく
)
に自分の素性来歴を包もうと企てたが、要するに
其
(
そ
)
れは彼の不利益に
終
(
おわ
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
最初
(
はじめ
)
は珍らしくて鹿煎餅を振舞ってやったけれど、斯う到るところで鉢合せをしては応接に
遑
(
いとま
)
がない。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
最初
(
はじめ
)
いひ
出
(
いで
)
し
時
(
とき
)
にやふやながら
結局
(
つまり
)
は
宜
(
よ
)
しと
有
(
あり
)
し
言葉
(
ことば
)
を
頼
(
たの
)
みに、
又
(
また
)
の
機嫌
(
きげん
)
むつかしければ
五月蠅
(
うるさく
)
いひては
却
(
かへ
)
りて
如何
(
いかゞ
)
と
今日
(
けふ
)
までも
我慢
(
がまん
)
しけれど、
約束
(
やくそく
)
は
今日
(
けふ
)
と
言
(
い
)
ふ
大晦日
(
おほみそか
)
のひる
前
(
まへ
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
僕だって
最初
(
はじめ
)
からこういう間の中といっちゃあ、
末始終
(
すえしじゅう
)
はきっと
泣
(
なき
)
を見なければならないと思うから、今度こそ別れるような話にしようか、今度こそと、その度に
悄
(
しお
)
れちゃあここへ来ると
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふん、いい気味だ、思い知ったか。……
妾
(
わたし
)
は
最初
(
はじめ
)
あの人が好きで、
香油
(
においあぶら
)
で足を洗い、精々ご機嫌を取ったのに、見返ろうとさえしなかったんだからね。そこでカヤパを
情夫
(
いろ
)
にして、進めてあの人を
銀三十枚
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私は、
最初
(
はじめ
)
から斯様な嬉しい目に逢ったのは、生れて初めてであった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
最初
(
はじめ
)
に我に物いへる靈即ち曰ふ。汝は汝のわがために爲すを好まざることを、枉げて我に爲さしめんとす 七六—七八
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
妹が
斯
(
か
)
く斯く申して是非とも離縁を申し込んで呉れと云う、ついては右に付き、何か御心当りの事でもござろうかと尋ねると、隼人も
最初
(
はじめ
)
は笑い、後には眉を顰めて
お住の霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大人連中は
最初
(
はじめ
)
から話し続けていたが、汽車が新橋で停った時、三輪さんは窓から首を出して見て
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
數の中には眞にうけて此樣な
厄種
(
やくざ
)
を女房にと言ふて下さる方もある、持たれたら嬉しいか、添うたら本望か、夫れが私は分りませぬ、そも/\の
最初
(
はじめ
)
から私は貴君が好きで好きで
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“最初”の意味
《名詞・形容動詞》
最 初(さいしょ)
最も初め。物事の始まり。
(出典:Wiktionary)
最
常用漢字
小4
部首:⽈
12画
初
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“最初”で始まる語句
最初愛