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彈
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はじ
ふりがな文庫
“
彈
(
はじ
)” の例文
新字:
弾
算術の最も易い寄せ算をするにしても、散る氣でもつて運算して居たら、桁違をしたり、餘計な
珠
(
たま
)
を
彈
(
はじ
)
き込んだり仕さうな事である。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
按摩
(
あんま
)
は
其
(
その
)
仰向
(
あをむ
)
いて
打傾
(
うちかたむ
)
いた、
耳
(
みゝ
)
の
痒
(
かゆ
)
いのを
掻
(
か
)
きさうな
手
(
て
)
つきで、
右手
(
めて
)
に
持添
(
もちそ
)
へた
杖
(
つゑ
)
の
尖
(
さき
)
を、
輕
(
かる
)
く、コト/\コト/\と
彈
(
はじ
)
きながら
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此方
(
こつち
)
から
算盤
(
そろばん
)
を
彈
(
はじ
)
いて、この
土地
(
とち
)
の
人間
(
にんげん
)
の
根性
(
こんじやう
)
を
數
(
かぞ
)
へてやると
泥棒
(
どろぼう
)
に
乞食
(
こじき
)
を
加
(
くは
)
へて、それを
二
(
ふた
)
つに
割
(
わ
)
つたやうなものだなう。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
あの野郎はお孃さんのお梅さんに手ひどく
彈
(
はじ
)
かれて、ムシヤクシヤして呑み歩いたやうです。でも
戌刻半
(
うつゝはん
)
(九時)には自分の家へ歸つたやうで
銭形平次捕物控:276 釣針の鯉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
併しその時分口にしてゐた悲痛とか悲慘とか云ふ言葉——それ等は要するに感興といふゴム
鞠
(
まり
)
のやうな彈力から
彈
(
はじ
)
き出された言葉だつたのだ。
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
▼ もっと見る
君子
(
きみこ
)
は
背
(
せ
)
のびをして
結
(
むす
)
ばれた
電氣
(
でんき
)
の
綱
(
つな
)
をほどいてゐた。とその
時
(
とき
)
、
母
(
はゝ
)
は
恰
(
あたか
)
もその
光
(
ひか
)
りに
彈
(
はじ
)
かれたやうにぱつと
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
つた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
水
(
みづ
)
を
彈
(
はじ
)
いて
二
(
ふた
)
つが
一所
(
いつしよ
)
に
集
(
あつ
)
まつたと
云
(
い
)
ふよりも、
水
(
みづ
)
に
彈
(
はじ
)
かれた
勢
(
いきほひ
)
で、
丸
(
まる
)
く
寄
(
よ
)
り
添
(
そ
)
つた
結果
(
けつくわ
)
、
離
(
はな
)
れる
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
なくなつたと
評
(
ひやう
)
する
方
(
はう
)
が
適當
(
てきたう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それが
明日
(
あす
)
からといふ
日
(
ひ
)
に
彼
(
かれ
)
は
其
(
その
)
残
(
のこ
)
つた
煙草
(
たばこ
)
を
殆
(
ほとん
)
ど一
日
(
にち
)
喫
(
す
)
ひ
續
(
つゞ
)
けた。
煙草入
(
たばこいれ
)
の
叺
(
かます
)
を
倒
(
さかさ
)
にして
爪先
(
つまさき
)
でぱた/\と
彈
(
はじ
)
いて
少
(
すこ
)
しの
粉
(
こ
)
でさへ
餘
(
あま
)
さなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
二三分が
空
(
むな
)
しく流れた。しめやかに降り
灑
(
そそ
)
いでゐた戸外の雨の音が、
彈
(
はじ
)
くやうに私の鼓膜に響いて來た。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
斯く言ひ掛けて、サンタは愛らしき聲して笑ひ、おん身の餘りに罪なき
性
(
さが
)
なるため、我に女の口より言ひ難き事さへ言はしめ給ふこそ憎けれとて、指もて我頬を
彈
(
はじ
)
きたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
矢の
絃
(
つる
)
に
彈
(
はじ
)
かれ空を貫いて飛ぶことはやきもわがこの時見し一の小舟には如かじ 一三—一五
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
叩きつける雨の勢ひは、
遮
(
さへぎ
)
るものにあたつて
彈
(
はじ
)
きかへされ、白い霧になつてゐる。
夏の夜
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
彈
(
はじ
)
き
葉
(
ば
)
のあさみどりなる、内
紅
(
あか
)
く紫くろき、
層
(
かさ
)
厚く七重八重なる、葉牡丹は大いにうれし。牡丹とも見ずや葉牡丹、
値
(
ね
)
は
廉
(
やす
)
きその株ながら、株立つとこの庭も
狹
(
せ
)
に、豐かなり乏しともなし。
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
子供がいたづらをしてゐるみたいに、湯を相手の肩や背中に
彈
(
はじ
)
きあつてみたり、流しの石の上に立つて、犬猫體操をしてみたり、鏡の中へ、思ひつきり脚を高くあげてみたりして遊んでゐる。
暗い花
(旧字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
たゞ
折々
(
をり/\
)
聞
(
きこゆ
)
るものは
豌豆
(
ゑんどう
)
の
莢
(
さや
)
が
熱
(
あつ
)
い日に
彈
(
はじ
)
けて
豆
(
まめ
)
の
飛
(
と
)
ぶ
音
(
おと
)
か、
草間
(
くさま
)
の
泉
(
いづみ
)
の
私語
(
さゝやく
)
やうな音、それでなくば
食
(
く
)
ひ
飽
(
あき
)
た
鳥
(
とり
)
が
繁茂
(
しげみ
)
の
中
(
なか
)
で
物疎
(
ものう
)
さうに
羽搏
(
はゞたき
)
をする
羽音
(
はおと
)
ばかり。
熟過
(
つえすぎ
)
た
無花果
(
いちじく
)
がぼたりと落ちる。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
麻の實の殼を猛烈に
彈
(
はじ
)
き飛ばす
赤羅裳
(
あからも
)
鸚鵡ひたむきなるを
河馬
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
と、富江は
彈
(
はじ
)
けた樣に一人で騷いで
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
毒の
水泡
(
みなわ
)
の水の
面
(
も
)
に
彈
(
はじ
)
く響か
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
冠冕
(
かむり
)
を
彈
(
はじ
)
く響あり。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「あの野郎がお玉を手籠にしたのだよ。二度や三度ぢやない、あの晩も言ひ寄つて手ひどく
彈
(
はじ
)
かれ、カツとのぼせてお玉を殺してしまつたのだ」
銭形平次捕物控:199 蹄の跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
母樣
(
おつかさん
)
が、
膝
(
ひざ
)
を
彈
(
はじ
)
いて、ずらりと、ずらすやうに
跨
(
また
)
いで
下
(
お
)
りると、
氣輕
(
きがる
)
にてく/\と
土間
(
どま
)
を
來
(
き
)
た。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「はて、一つ十五
匁
(
もんめ
)
七
分
(
ぶ
)
づゝだ、
粒
(
つぶ
)
は
小
(
ちひ
)
せえ
方
(
はう
)
だな」
商人
(
あきんど
)
はゆつくり
十露盤
(
そろばん
)
の
玉
(
たま
)
を
彈
(
はじ
)
いて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
果
(
は
)
ては懷中から小さな
算盤
(
そろばん
)
を取り出し、節くれ立つた指で、やりにくさうに
彈
(
はじ
)
き出した。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
冬青
(
もち
)
の葉に走る
氷雨
(
ひさめ
)
の音聽けば日のくれぐれはよく
彈
(
はじ
)
くなり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
十年前、先妻のお
艶
(
つや
)
に夢中になり、手ひどく
彈
(
はじ
)
かれると、それを根に持つてお艶のアラを搜し、主人の金兵衞に告げ口して追ひ出させてしまつた
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
皆掛
(
みながけ
)
が四百廿三
匁
(
もんめ
)
二
分
(
ぶ
)
だからなそれ」
秤
(
はかり
)
の
目
(
め
)
をお
品
(
しな
)
に
見
(
み
)
せて
十露盤
(
そろばん
)
の
玉
(
たま
)
を
彈
(
はじ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
呉
(
ご
)
の
孫權
(
そんけん
)
、
或時
(
あるとき
)
、
曹
(
さう
)
再興
(
さいこう
)
をして
屏風
(
びやうぶ
)
に
畫
(
ゑが
)
かしむ、
畫伯
(
ぐわはく
)
筆
(
ふで
)
を
取
(
と
)
つて
誤
(
あやま
)
つて
落
(
おと
)
して
素
(
しろ
)
きに
點
(
てん
)
打
(
う
)
つ。
因
(
よ
)
つてごまかして、
蠅
(
はへ
)
となす、
孫權
(
そんけん
)
其
(
そ
)
の
眞
(
しん
)
なることを
疑
(
うたが
)
うて
手
(
て
)
を
以
(
もつ
)
て
彈
(
はじ
)
いて
姫
(
き
)
を
顧
(
かへり
)
みて
笑
(
わら
)
ふといへり。
聞きたるまゝ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
歸
(
かへ
)
りたいだらう。
生
(
なま
)
ぬるい、
青
(
あを
)
んぶくれのやうな
人間
(
にんげん
)
どもが、
年中
(
ねんぢう
)
指先
(
ゆびさき
)
でも、
眼
(
め
)
の
中
(
なか
)
でも
算盤
(
そろばん
)
を
彈
(
はじ
)
いて、
下卑
(
げび
)
たことばかり
考
(
かんが
)
へてゐるこの
土地
(
とち
)
に、まことの
人間
(
にんげん
)
らしい
人間
(
にんげん
)
はとても
居
(
を
)
られないね。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
銀の
螽斯
(
ジイツタン
)
の
彈
(
はじ
)
くよに。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
不安と
疑惧
(
ぎぐ
)
と悲歎に重苦しく閉ぢこめられて、
偶々
(
たま/\
)
大きい聲で物を言ふ者があると、家中の者が
彈
(
はじ
)
き上げられたほど吃驚するといつた不思議な靜けさでした。
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちよと
彈
(
はじ
)
き
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
庭木戸を
彈
(
はじ
)
き飛ばすやうに飛び込んで來たガラツ八の八五郎は、相變らず縁側にとぐろを卷いて、
寛々
(
くわん/\
)
と朝の
日向
(
ひなた
)
を樂しんでゐる錢形平次の前に突つ立つたのです。
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
舌打を一つ、
袂
(
たもと
)
から取出したのは、その頃通用した
永樂錢
(
えいらくせん
)
が一枚です。手の平へ
載
(
の
)
せて中指の爪と親指の腹で
彈
(
はじ
)
くと、チン——と鳴つて、二三尺空中に飛上がります。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
泣き出しさうにして、お紋の死體を
庇
(
かば
)
つてゐたのは、お紋に氣があるとか、お紋に
彈
(
はじ
)
かれたとか、かんばしからぬ噂を立てられてゐる、お隣りの建具屋の金次でした。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラツ八の八五郎は、それでも素直に立上がつて今叱られたばかりの狹い袷の前を引張り乍ら縁側から入口を覗きましたが、何を見たか、
彈
(
はじ
)
き返されたやうに戻つて來て
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藤波龍之進の娘の多與里に
彈
(
はじ
)
かれて、フト左の頬に傷を拵へることを思ひ付いたのさ。
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お倉に
彈
(
はじ
)
かれて、ムシヤクシヤして居る矢先だつたので、樂屋にあつたお倉の
扱帶
(
しごき
)
を死體の首に卷いた上、死體をお倉の家の前へ捨て、丁寧に雪駄を片方お倉の家へ投げ込んで置いた
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
店の方へ行くと、銀次は神妙に帳場格子の中で、
算盤
(
そろばん
)
などを
彈
(
はじ
)
いて居りました。
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の
所謂
(
いはゆる
)
大玄關まで筒拔け、丁度その時追つ立てるやうにザーツと一と夕立來ると一と打二た打眼を射る猛烈な稻光り、
彈
(
はじ
)
くやうな雷鳴が、押つ冠せてガラガラツと耳をつん
裂
(
ざ
)
さきます。
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「當つて見ろ、お前も
彈
(
はじ
)
かれて男手で
覆面頭巾
(
ふくめんづきん
)
を
拵
(
こさ
)
へ度くなるから」
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「まさかあの後家に手ひどく
彈
(
はじ
)
かれたわけぢやあるまいな」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はピンと
彈
(
はじ
)
き上げられたやうに坐り直しました。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三輪の萬七はそれを
彈
(
はじ
)
き返すやうに言ひ込めます。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎はうさん臭い自分の鼻などを
彈
(
はじ
)
くのです。
銭形平次捕物控:266 処女神聖
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
彈
(
はじ
)
き上げられたやうに起ち上がります。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彈
部首:⼸
15画
“彈”を含む語句
爪彈
彈丸
彈機
爆裂彈
彈藥
彈奏
琴彈者
榴彈
火山彈
爆彈
爐裂彈
琴彈
琴彈松
手擲彈
石彈
花環榴彈等
裝彈篋
貓彈竹
輕彈
連彈
...