“爪彈”のいろいろな読み方と例文
新字:爪弾
読み方割合
つまはじ28.6%
つまび28.6%
つまびき14.3%
つめび14.3%
つめびき14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒助兄哥あにい、怨みのある石見樣は隱居した上、御親類中から爪彈つまはじきされて、行方不明になつて了つた。敵は討つたも同じことだらう。
夏場のことで、表通りの店はまだ開いて居りますが、蚊遣煙かやりが淡くこめて、何處からともなく爪彈つまびきの音も聽えて來る戌刻半いつゝはん(九時)過ぎ、江戸の夜の情緒は、山の手ながら妙になまめきます。
(だが、之は、先刻から私の聞いて來た音とは違ふ。私の道々聞いて來たのは、劇場のそれの樣な本式の賑かなのではなく、餘り慣れない手が獨りでポツン/\と爪彈つまびきしてゐたやうな音だつた)
入相いりあひかねこゑいんひゞきてねぐらにいそぐ友烏ともがらす今宵こよひ宿やどりのわびしげなるにうつせみのゆめ見初みはじめ、待合まちあひ奧二階おくにかい爪彈つめびきの三下さんさがすだれるゝわらごゑひくきこえておもはずとま行人ゆくひと足元あしもとくる煩惱ぼんなういぬ尻尾しつぽ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
する物と見えたり成程此宿このしゆく繁花はんくわにて家數も多く作りて立派なり晝前なるに料理屋に三味線さみせんの音ありさだめて木曾の歌の古雅なるならんと立寄れば意氣がりて爪彈つめびきで春雨いらぬ事ながら何やら憎く思はれぬ道中筋の繁花な所といふと得て生意氣な風が吹て可厭いやな臭がしたがる者なり賢くも昨夜ゆふべの宿を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)