“爪先上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つまさきあが64.5%
つまさきあ16.1%
つまさきのぼ16.1%
つまさきあがり3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のきいた運転士うんてんしくるまをつけたところが、はたしてそれであつた、かれ門前もんぜんくるまをおりて、右側みぎがわ坂道さかみち爪先上つまさきあがりにのぼつてつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
いずれかこの町もかかるたぐいに漏るべき、ただ東より西へと爪先上つまさきあがりの勾配こうばいゆるく、中央をば走り流るる小川ありて水上みなかみは別荘を貫く流れと同じく
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
内地のどこかに胸突八丁という難路があるが、そんな道は愚かである。約一里の道が、ことごとく爪先上つまさきのぼりだ。
淡紫裳 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
みちは野原のすすきを分けてやや爪先上つまさきあがりの処まで来ると、ちらと自分の眼に映ったのは草の間から現われている紙包。自分はけ寄って拾いあげて見るとなかに百円束が一個ひとつ。自分は狼狽あわて懐中ふところにねじこんだ。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)