“爪先立”の読み方と例文
読み方割合
つまさきだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたしは咄嗟とっさに見分けがついた。父は全身すっぽり黒マントにくるまり、帽子ぼうし目深まぶかにおろしていたが、それでは包みかくせなかった。彼は爪先立つまさきだちで、そばを通り過ぎた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
別の背の低い、こせこせした男が、彼の腕を引っぱり、爪先立つまさきだって彼の耳もとでたずねた。「君は連邦党か、民主党か」リップは前と同様、質問の訳がわからず途方にくれた。
何の気もなく爪先立つまさきだちになり、上の窓框まどわくへ手をかけると、不意に! 窓の隙からその手をグイとつかみ取りに引き込まれて、格子こうしからみつけるように、強くじつけられてしまった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)