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爪先立
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つまさきだ
ふりがな文庫
“
爪先立
(
つまさきだ
)” の例文
わたしは
咄嗟
(
とっさ
)
に見分けがついた。父は全身すっぽり黒マントにくるまり、
帽子
(
ぼうし
)
を
目深
(
まぶか
)
におろしていたが、それでは包み
匿
(
かく
)
せなかった。彼は
爪先立
(
つまさきだ
)
ちで、そばを通り過ぎた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
別の背の低い、こせこせした男が、彼の腕を引っぱり、
爪先立
(
つまさきだ
)
って彼の耳もとでたずねた。「君は連邦党か、民主党か」リップは前と同様、質問の訳がわからず途方にくれた。
リップ・ヴァン・ウィンクル:ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
何の気もなく
爪先立
(
つまさきだ
)
ちになり、上の
窓框
(
まどわく
)
へ手をかけると、不意に! 窓の隙からその手をグイとつかみ取りに引き込まれて、
格子
(
こうし
)
へ
絡
(
から
)
みつけるように、強く
捻
(
ね
)
じつけられてしまった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
クンツの見当は当たっていた。すこぶる上天気だった。寒さと急な
梯子
(
はしご
)
段とを恐れてもう長くはいったこともない
窖
(
あなぐら
)
へ、
爪先立
(
つまさきだ
)
って降りていった。いちばんよい
葡萄
(
ぶどう
)
酒の
瓶
(
びん
)
を選んだ。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
しかも、それをぐいと引き抜いて、
爪先立
(
つまさきだ
)
ちになってそのまま便所ですからね。どんなに、こらえ切れなくなっていたって、何もそれほどあわて無くてもよろしいじゃございませんか。
眉山
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
昌平橋のこっちに海坊主の
寄合
(
よりあい
)
のようにかたまって、その乗物にちっとも眼を離さなかった連中が、今や前後の乗物が別れたと見るとスーッと
爪先立
(
つまさきだ
)
って橋を渡り、太刀の
柄
(
つか
)
を握り締めた十余人は
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
僕は今にも
溺
(
おぼ
)
れそうになった。
爪先立
(
つまさきだ
)
ちをして僕は背のびをした。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
足音をさせないように
爪先立
(
つまさきだ
)
てゝ歩いて行って、障子をいつも程に細目に開け、じーっと息を
凝
(
こ
)
らしていると、燈台の
灯先
(
ほさき
)
が風のないのにゆら/\としたと思った途端に、父が
俄
(
にわ
)
かに両肩を揺がして
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
爪
常用漢字
中学
部首:⽖
4画
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“爪先”で始まる語句
爪先
爪先上
爪先下
爪先探
爪先舞踏