“門前”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もんぜん96.3%
もんまえ3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のきいた運転士うんてんしくるまをつけたところが、はたしてそれであつた、かれ門前もんぜんくるまをおりて、右側みぎがわ坂道さかみち爪先上つまさきあがりにのぼつてつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そのとき、あちらに、くら提燈ちょうちんえたのであります。それは、ちょうどてら門前もんぜんであって、まだ露店ろてんているのでした。
幸福のはさみ (新字新仮名) / 小川未明(著)
いんね、わし一人じゃござりましねえ。喜十郎様がとこの仁右衛門の苦虫にがむしと、学校の先生ちゅが、同士にはい、門前もんまえまで来っけえがの。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ええ、仁右衛門にえむの声だ。南無阿弥陀仏なんまいだ、ソ、ソレ見さっせえ。宵に門前もんまえから遁帰にげかえった親仁めが、今時分何しにここへ来るもんだ。見ろ、畜生、さ、さすが畜生の浅間しさに、そこまでは心着かねえ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)