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門前
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もんぜん
ふりがな文庫
“
門前
(
もんぜん
)” の例文
気
(
き
)
のきいた
運転士
(
うんてんし
)
が
車
(
くるま
)
をつけたところが、
果
(
はた
)
してそれであつた、
彼
(
かれ
)
は
門前
(
もんぜん
)
で
車
(
くるま
)
をおりて、
右側
(
みぎがわ
)
の
坂道
(
さかみち
)
を
爪先上
(
つまさきあが
)
りに
登
(
のぼ
)
つて
行
(
い
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
そのとき、あちらに、
暗
(
くら
)
い
提燈
(
ちょうちん
)
の
火
(
ひ
)
が
見
(
み
)
えたのであります。それは、ちょうど
寺
(
てら
)
の
門前
(
もんぜん
)
であって、まだ
露店
(
ろてん
)
が
出
(
で
)
ているのでした。
幸福のはさみ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
は
何
(
なに
)
をする
目的
(
めあて
)
もなく
室
(
へや
)
の
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がつた。
障子
(
しやうじ
)
を
明
(
あ
)
けて
表
(
おもて
)
へ
出
(
で
)
て、
門前
(
もんぜん
)
をぐる/\
駈
(
か
)
け
回
(
まは
)
つて
歩
(
ある
)
きたくなつた。
夜
(
よ
)
はしんとしてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
はま
鍋
(
なべ
)
、あをやぎの
時節
(
じせつ
)
でなし、
鰌汁
(
どぢやうじる
)
は
可恐
(
おそろ
)
しい、せい/″\
門前
(
もんぜん
)
あたりの
蕎麥屋
(
そばや
)
か、
境内
(
けいだい
)
の
團子屋
(
だんごや
)
で、
雜煮
(
ざふに
)
のぬきで
罎
(
びん
)
ごと
正宗
(
まさむね
)
の
燗
(
かん
)
であらう。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
慶応義塾
(
けいおうぎじゅく
)
はこの
頃
(
ころ
)
、弟子いよいよ
進
(
すす
)
み、その数すでに数百に達し、また旧日の
比
(
ひ
)
にあらず。
或夜
(
あるよ
)
、
神明社
(
しんめいしゃ
)
の
辺
(
ほとり
)
より失火し、予が
門前
(
もんぜん
)
まで
延焼
(
えんしょう
)
せり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
▼ もっと見る
參詣人
(
さんけいにん
)
へも
愛想
(
あいそ
)
よく
門前
(
もんぜん
)
の
花屋
(
はなや
)
が
口惡
(
くちわ
)
る
嚊
(
かゝ
)
も
兎角
(
とかく
)
の
蔭口
(
かげぐち
)
を
言
(
い
)
はぬを
見
(
み
)
れば、
着
(
き
)
ふるしの
浴衣
(
ゆかた
)
、
總菜
(
そうざい
)
のお
殘
(
のこ
)
りなどおのずからの
御恩
(
ごおん
)
も
蒙
(
かうむ
)
るなるべし
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
不思議に思って
益
(
ますます
)
耳を澄ましていると、合の手のキャンキャンが次第に大きく、高くなって、遂には
鼾
(
いびき
)
の中を脱け出し、其とは離ればなれに、確に
門前
(
もんぜん
)
に聞える。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
学校の
門前
(
もんぜん
)
を車は通り抜けた。そこに
傘屋
(
かさや
)
があった。
家中
(
うちじゅう
)
を油紙やしぶ皿や糸や道具などで散らかして、そのまんなかに五十ぐらいの
中爺
(
ちゅうおやじ
)
がせっせと傘を張っていた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
寄
(
よつ
)
て
三升
(
みます
)
の
目印
(
めじるし
)
、
門前
(
もんぜん
)
に
市
(
いち
)
を
為
(
な
)
すにぞ、のど
筒
(
づゝ
)
の
往来
(
わうらい
)
かまびすしく、笑ふ
声
(
こゑ
)
富士
(
ふじ
)
筑波
(
つくば
)
にひゞく。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
人通りといっては一人もない
此方
(
こなた
)
の岸をば、意外にも突然二台の
人力車
(
じんりきしゃ
)
が天神橋の方から
駈
(
か
)
けて来て、二人の休んでいる寺の
門前
(
もんぜん
)
で止った。
大方
(
おおかた
)
墓参りに来たのであろう。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
つい
門前
(
もんぜん
)
の
雑木林
(
ぞうきばやし
)
の中でがさ/\音がするので、ふっと見ると、昨夜此処に寝たと見えて、
一人
(
ひとり
)
の古い
印半纏
(
しるしばんてん
)
を着た四十ばかりの男が、
眠
(
ねむ
)
たい顔して起き上り、
欠伸
(
あくび
)
をして往って了うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
、
天滿與力
(
てんまよりき
)
の
何某
(
なにがし
)
が、
門前
(
もんぜん
)
の
旅籠屋
(
はたごや
)
に
泊
(
とま
)
り、
大醉
(
たいすゐ
)
して
亂暴
(
らんばう
)
し、
拔刀
(
ばつたう
)
で
戸障子
(
としやうじ
)
を
切
(
き
)
り
破
(
やぶ
)
つたが、
多田院
(
ただのゐん
)
の
寺武士
(
てらざむらひ
)
は
劍術
(
けんじゆつ
)
を
知
(
し
)
らないので、
取
(
と
)
り
押
(
おさ
)
へに
行
(
ゆ
)
くことも
出來
(
でき
)
なかつたといふ
話
(
はなし
)
を
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
京になきうまきお萩と
門前
(
もんぜん
)
の茶みせに憩ひ褒めつつ
食
(
た
)
うぶ
閉戸閑詠
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
斯て生駒家の家來は評定所の
門前
(
もんぜん
)
に控居て御下知を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と、
大九郎
(
だいくろう
)
は
門前
(
もんぜん
)
から
苦笑
(
くしょう
)
しながらもどってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
座敷
(
ざしき
)
で
見
(
み
)
ればすぐ
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
だが、
表
(
おもて
)
から
廻
(
まは
)
ると、
通
(
とほ
)
りを
半町
(
はんちやう
)
許
(
ばかり
)
來
(
き
)
て、
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
つて、
又
(
また
)
半町
(
はんちやう
)
程
(
ほど
)
逆
(
ぎやく
)
に
戻
(
もど
)
らなければ、
坂井
(
さかゐ
)
の
門前
(
もんぜん
)
へは
出
(
で
)
られなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
正吉
(
しょうきち
)
は、お
寺
(
てら
)
の
門前
(
もんぜん
)
に、ただ一つ
提燈
(
ちょうちん
)
をつけて、
露店
(
ろてん
)
を
出
(
だ
)
している
人
(
ひと
)
があるのを
遠
(
とお
)
くからながめました。
幸福のはさみ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
雪
(
ゆき
)
の
後朝
(
あした
)
の
末
(
すゑ
)
つむ
花
(
はな
)
に
見參
(
げんざん
)
まへの
心
(
こヽろ
)
なるべし、
扨
(
さて
)
も
笑止
(
せうし
)
とけなしながら
心
(
こヽろ
)
にかヽれば、
何時
(
いつ
)
も
門前
(
もんぜん
)
を
通
(
とほ
)
る
時
(
とき
)
は
夫
(
そ
)
れとなく
見
(
み
)
かへりて、
見
(
み
)
ることも
有
(
あ
)
れかしと
待
(
ま
)
ちしが
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ヒイヽン!
叱
(
しつ
)
、どうどうどうと
背戸
(
せど
)
を
廻
(
まわ
)
る
蹄
(
ひづめ
)
の
音
(
おと
)
が
椽
(
えん
)
へ
響
(
ひゞ
)
いて
親仁
(
おやぢ
)
は一
頭
(
とう
)
の
馬
(
うま
)
を
門前
(
もんぜん
)
へ
引出
(
ひきだ
)
した。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人通
(
ひとどほ
)
りと
云
(
い
)
つては一人もない
此方
(
こなた
)
の岸をば、意外にも
突然
(
とつぜん
)
二台の人力車が
天神橋
(
てんじんばし
)
の
方
(
はう
)
から
駈
(
か
)
けて来て、二人の休んでゐる寺の
門前
(
もんぜん
)
で
止
(
とま
)
つた。
大方
(
おほかた
)
墓参
(
はかまゐ
)
りに来たのであらう。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
黄金作
(
こがねづく
)
りの
大小
(
だいせう
)
を
門前
(
もんぜん
)
の
茶店
(
ちやみせ
)
で
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げられて、
丸腰
(
まるごし
)
になつたのを
不平
(
ふへい
)
に
思
(
おも
)
ふ
風
(
ふう
)
で、
人
(
ひと
)
を
突
(
つ
)
き
退
(
の
)
けながらやつて
來
(
き
)
た
其
(
そ
)
の
天滿與力
(
てんまよりき
)
は、
玄竹
(
げんちく
)
が
脇差
(
わきざ
)
しを
帶
(
さ
)
してゐるのを
見
(
み
)
て、
怪
(
け
)
しからんといふ
風
(
ふう
)
で
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
彼は三十分と立たないうちに、
吾家
(
わがいへ
)
の
門前
(
もんぜん
)
に
来
(
き
)
た。けれども
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
る気がしなかつた。
彼
(
かれ
)
は高い
星
(
ほし
)
を
戴
(
いたゞ
)
いて、
静
(
しづ
)
かな
屋敷町
(
やしきまち
)
をぐる/\徘徊した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
和出來
(
わでき
)
の
猪八戒
(
ちよはつかい
)
と
沙悟淨
(
さごじやう
)
のやうな、
變
(
へん
)
なのが
二人
(
ふたり
)
、
鯱
(
しやち
)
の
城下
(
じやうか
)
へ
轉
(
ころ
)
げ
落
(
お
)
ちて、
門前
(
もんぜん
)
へ
齋
(
とき
)
に
立
(
た
)
つたつて、
右
(
みぎ
)
の
度胸
(
どきよう
)
だから
然
(
さ
)
までおびえまいよ。
紹介
(
せうかい
)
をしよう。……(
角
(
かく
)
はま)にも。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ある
早春
(
そうしゅん
)
の
日
(
ひ
)
のこと、
日
(
ひ
)
あたりのいい、
寺
(
てら
)
の
門前
(
もんぜん
)
で、
店
(
みせ
)
をひらいて、
草花
(
くさばな
)
の
根
(
ね
)
や、
苗
(
なえ
)
を
売
(
う
)
っている
男
(
おとこ
)
がありました。これを
見
(
み
)
た
勇吉
(
ゆうきち
)
は、やまゆりの
根
(
ね
)
を二つ
買
(
か
)
ってかえりました。
雲のわくころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
長吉
(
ちようきち
)
は
我
(
わ
)
が
門前
(
もんぜん
)
に
産聲
(
うぶごゑ
)
を
揚
(
あ
)
げしものと
大和尚夫婦
(
だいおしようふうふ
)
が
贔屓
(
ひゐき
)
もあり、
同
(
おな
)
じ
學校
(
がくかう
)
へかよへば
私立
(
しりつ
)
私立
(
しりつ
)
とけなされるも
心
(
こゝろ
)
わるきに、
元來
(
ぐわんらい
)
愛敬
(
あいけう
)
のなき
長吉
(
ちようきち
)
なれば
心
(
こゝろ
)
から
味方
(
みかた
)
につく
者
(
もの
)
もなき
憐
(
あは
)
れさ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
誰
(
だれ
)
か
慌
(
あは
)
たゞしく
門前
(
もんぜん
)
を
馳
(
か
)
けて行く
足音
(
あしおと
)
がした時、
代助
(
だいすけ
)
の
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
には、大きな
俎下駄
(
まないたげた
)
が
空
(
くう
)
から、ぶら
下
(
さが
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
思
(
おも
)
はず
聲
(
こゑ
)
だかに
負
(
まけ
)
ましよ
負
(
まけ
)
ましよと
趾
(
あと
)
を
追
(
お
)
ふやうに
成
(
な
)
りぬ、
人波
(
ひとなみ
)
にのまれて
買手
(
かひて
)
も
眼
(
まなこ
)
の
眩
(
くら
)
みし
折
(
をり
)
なれば、
現在
(
げんざい
)
後世
(
ごせ
)
ねがひに
一昨日
(
おとつひ
)
來
(
き
)
たりし
門前
(
もんぜん
)
も
忘
(
わす
)
れて、
簪
(
かんざし
)
三
本
(
ほん
)
七十五
錢
(
せん
)
と
懸直
(
かけね
)
すれば
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
二人
(
ふたり
)
は、ともに
家
(
うち
)
を
出
(
で
)
ますけれど、すぐ
門前
(
もんぜん
)
から
右
(
みぎ
)
と
左
(
ひだり
)
に
分
(
わか
)
かれてしまいます。そして、いつもいっしょにいることはありませんでした。
妹
(
いもうと
)
は、
広々
(
ひろびろ
)
とした、
日
(
ひ
)
のよく
当
(
あ
)
たる
野原
(
のはら
)
にいきました。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
官人は
少時
(
しばし
)
茫然
(
ぼうぜん
)
として
門前
(
もんぜん
)
の
靄
(
もや
)
に
彳
(
たたず
)
んだ。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この医者が大へんな変人で、患者をまるで
玩具
(
おもちゃ
)
か人形のように扱かう
愛嬌
(
あいきょう
)
のない人です。それで、はやらないかといえば不思議なほどはやって
門前
(
もんぜん
)
市
(
いち
)
をなすありさまです。
おはなし
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
良久
(
やゝひさ
)
しうありて
奧
(
おく
)
さま
大方
(
おほかた
)
醉
(
ゑい
)
も
覺
(
さ
)
めぬれば、
萬
(
よろづ
)
におのが
亂
(
みだ
)
るゝ
怪
(
あや
)
しき
心
(
こゝろ
)
を
我
(
わ
)
れと
叱
(
しか
)
りて、
歸
(
かへ
)
れば
盃盤狼藉
(
はいばんらうぜき
)
の
有
(
あり
)
さま、
人々
(
ひと/″\
)
が
迎
(
むか
)
ひの
車
(
くるま
)
門前
(
もんぜん
)
に
綺羅星
(
きらほし
)
とならびて、
何某樣
(
たれさま
)
お
立
(
た
)
ちの
聲
(
こゑ
)
にぎはしく
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
銀杏
(
いちょう
)
の
樹
(
き
)
が一本、
門前
(
もんぜん
)
にあった」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“門前”の意味
《名詞》
(もんぜん)門の前。門のあたり。特に社寺の門の前。
(メンゼン)(context、mahjong)一回も副露|フーロしていない状態。自分以外すなわち他家|ターチャの捨てた牌|パイを一枚も利用していない状態。「門前清|メンゼンチン」の略。
(出典:Wiktionary)
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
“門前”で始まる語句
門前拂
門前町
門前仲町
門前雀羅
門前市
門前村
門前清
門前紅葉地