“屋敷町”の読み方と例文
読み方割合
やしきまち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
麹町区六番地の陰気な屋敷町やしきまちの中に、明治初期の様式の、実に古風な煉瓦造りの二階建てが、ポツンと取残された様に建っている。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
つぶやいてひと溜息ためいきする。……橋詰はしづめから打向うちむか眞直まつすぐ前途ゆくては、土塀どべいつゞいた場末ばすゑ屋敷町やしきまちで、かどのきもまばらだけれども、それでも兩側りやうがは家續いへつゞき……
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼は三十分と立たないうちに、吾家わがいへ門前もんぜんた。けれどももんくゞる気がしなかつた。かれは高いほしいたゞいて、しづかな屋敷町やしきまちをぐる/\徘徊した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)