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屋敷町
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やしきまち
ふりがな文庫
“
屋敷町
(
やしきまち
)” の例文
麹町区六番地の陰気な
屋敷町
(
やしきまち
)
の中に、明治初期の様式の、実に古風な煉瓦造りの二階建てが、ポツンと取残された様に建っている。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と
呟
(
つぶや
)
いて
一
(
ひと
)
ツ
溜息
(
ためいき
)
する。……
橋詰
(
はしづめ
)
から
打向
(
うちむか
)
ふ
眞直
(
まつすぐ
)
な
前途
(
ゆくて
)
は、
土塀
(
どべい
)
の
續
(
つゞ
)
いた
場末
(
ばすゑ
)
の
屋敷町
(
やしきまち
)
で、
門
(
かど
)
の
軒
(
のき
)
もまばらだけれども、
其
(
それ
)
でも
兩側
(
りやうがは
)
は
家續
(
いへつゞ
)
き……
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼は三十分と立たないうちに、
吾家
(
わがいへ
)
の
門前
(
もんぜん
)
に
来
(
き
)
た。けれども
門
(
もん
)
を
潜
(
くゞ
)
る気がしなかつた。
彼
(
かれ
)
は高い
星
(
ほし
)
を
戴
(
いたゞ
)
いて、
静
(
しづ
)
かな
屋敷町
(
やしきまち
)
をぐる/\徘徊した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小僧
(
こぞう
)
は、
主人
(
しゅじん
)
にいいつかって、
両方
(
りょうほう
)
のかごに
幾
(
いく
)
つかのすいかを
分
(
わ
)
けていれました。それをかついで、
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
を
売
(
う
)
って
歩
(
ある
)
きました。また、さびしい
屋敷町
(
やしきまち
)
の
方
(
ほう
)
へと、はいっていったのであります。
初夏の不思議
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
屋敷町
(
やしきまち
)
のことで、まだ
宵
(
よい
)
の
中
(
うち
)
であったにも
拘
(
かかわ
)
らず、あたりはいやにしんとしずまり返っていた。時々犬の遠吠が物淋しく聞えて来たりした。
幽霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
淺蜊
(
あさり
)
やア
淺蜊
(
あさり
)
の
剥身
(
むきみ
)
——
高臺
(
たかだい
)
の
屋敷町
(
やしきまち
)
に
春
(
はる
)
寒
(
さむ
)
き
午後
(
ごご
)
、
園生
(
そのふ
)
に
一人
(
ひとり
)
庭下駄
(
にはげた
)
を
爪立
(
つまだ
)
つまで、
手
(
て
)
を
空
(
そら
)
ざまなる
美
(
よ
)
き
女
(
むすめ
)
あり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
空に星が
瞬
(
まばた
)
き始める頃、まるで日が暮れ切るのを待ってでもいた様に、気違い葬儀車は、
牛込
(
うしごめ
)
の
矢来
(
やらい
)
に近い、非常に淋しい
屋敷町
(
やしきまち
)
の真中で、ピッタリと停車した。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
然
(
しか
)
るべき門は見えるが、それも場末で、
古土塀
(
ふるどべい
)
、やぶれ
垣
(
がき
)
の、
入曲
(
いりまが
)
つて長く続く
屋敷町
(
やしきまち
)
を、
雨
(
あま
)
もよひの陰気な
暮方
(
くれがた
)
、その県の
令
(
れい
)
に
事
(
つか
)
ふる
相応
(
そうおう
)
の
支那
(
しな
)
の官人が一人、従者を
従
(
したが
)
へて通り
懸
(
かか
)
つた。
雨ばけ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
暗い
屋敷町
(
やしきまち
)
にはまったく人通りがなかった。しかし、彼は、とある街角で、びっくりして立ち止まった。
女妖:01 前篇
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
斎藤は、一年ばかり前から、山の手のある淋しい
屋敷町
(
やしきまち
)
の
素人屋
(
しろうとや
)
に部屋を借りていた。
心理試験
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その向うは森になっていて、森のわきを歩いて行くと、
生垣
(
いけがき
)
や
塀
(
へい
)
ばかりの
屋敷町
(
やしきまち
)
で、ところどころに草の生えた
空地
(
あきち
)
があった。ボンヤリした街燈をたよりに、やっと目的の家にたどりついた。
悪霊物語
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
“屋敷”で始まる語句
屋敷
屋敷内
屋敷跡
屋敷田畝
屋敷方
屋敷住居
屋敷下
屋敷人
屋敷外
屋敷女