“産聲”の読み方と例文
新字:産声
読み方割合
うぶごゑ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
實に此の人生に自分が生れたといふことも容易ならない事件でないか。此の死の世界の中に自分がそもそも産聲うぶごゑを擧げたといふのも實に強い聲ではなかつたか。
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
君も、父も、戀も、なさけも、さては世に産聲うぶごゑ擧げてより二十三年の旦夕に疊み上げ折重ねし一切の衆縁、六尺の皮肉と共に夜半よはの嵐に吹き籠めて、行衞も知らぬ雲か煙。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
かぜんでもあめにもらず……はげしいあつさにられなかつた、唯吉たゞきち曉方あけがたつてうと/\するまで、垣根かきね一重ひとへへだてながら、産聲うぶごゑふものもかなかつたのである。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)