“唯吉”の読み方と例文
読み方割合
たゞきち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
唯吉(たゞきち)は、襟許(えりもと)から、手足(てあし)、身體中(からだぢう)、柳(やなぎ)の葉(は)で、さら/\と擽(くすぐ)られたやうに、他愛(たわい)なく、むず/\したので、ぶる/\と肩(かた)を搖(ゆす)つて
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もの干越(ほしごし)に、蓑(みの)を着(き)て渡(わた)りたい銀河(あまのがは)のやうに隅田川(すみだがは)が見(み)えるのに、葉(は)が茂(しげ)る頃(ころ)は燕(つばくろ)の羽(は)ほどの帆(ほ)も、ために遮(さへぎ)られて、唯吉(たゞきち)の二階(にかい)から隱(かく)れて行(ゆ)く。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と靜(しづか)な聲(こゑ)で、慰(なぐさ)めるやうに窓(まど)から云(い)つたが、其(そ)の一言(ひとこと)から冷(つめ)たくなりさうに、妙(めう)に身(み)に染(し)みて、唯吉(たゞきち)は寂(さび)しく聞(き)いた。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)