“唯一人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たゞひとり36.4%
ただひとり18.2%
たったひとり9.1%
たゞいちにん9.1%
ひとりきり9.1%
ひとりッきり9.1%
ゆいいつにん9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれらの行爲おこなひは獸の如きそのさがあかしとならむ、されば汝唯一人たゞひとりを一の黨派たらしむるかた汝にとりてかるべし 六七—六九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
父は祖父をして遠方に避難ひなんし、兄は京都の英学校に居り、家族の中で唯一人ただひとりの男の彼は、母と三人の姉と熊本を東南にる四里の山中の伯父おじの家に避難した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
めかけに囲った今更になっては実のところ唯一人たったひとり以前のお客が入込いりこんだからとて、腹立まぎれに綺麗さっぱりと暇をやる勇気はない。
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そでいておもてはらへば、はるかくもなかに、韓湘かんしやうあり。唯一人たゞいちにんゆきをかして何處いづこよりともなく、やがて馬前ばぜんきたる。みの紛々ふん/\として桃花たうくわてんじ、微笑びせうして一揖いちいふす。叔公をぢさんのちはと。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
(いいえ、何の、どこか松のこずえに消え残りました、さみしい高燈籠たかとうろうのように見えますよ。里のお墓には、お隣りもお向うもありますけれど、ここには私唯一人ひとりきり。)
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なんて出鱈目でたらめに怒鳴るんですって、——コリャコリャとはやしてね、やがて高鼾たかいびき、勿論唯一人ひとりッきり
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして、それを見出みいだしたのだ、味わったのだ。ただ万人を哀れみ、万人万物を解する神様ばかりが、我々を哀れんでくださる。神は唯一人ゆいいつにんで、そしてさばきに当たる人だ。