“爪上”の読み方と例文
読み方割合
つまあが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
門を出て、左へ切れると、すぐ岨道そばみちつづきの、爪上つまあがりになる。うぐいす所々ところどころで鳴く。左り手がなだらかな谷へ落ちて、蜜柑みかんが一面に植えてある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
坂を下り切ると細い谷道で、その谷道が尽きたと思うあたりからまた向き直って西へ西へと爪上つまあがりに新しい谷道がつづく。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
山に入りて春はけたるを、山をきわめたらば春はまだ残る雪に寒かろうと、見上げる峰のすそうて、暗き陰に走る一条ひとすじの路に、爪上つまあがりなる向うから大原女おはらめが来る。牛が来る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)