“爪音”の読み方と例文
読み方割合
つまおと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どうかして父の大臣の爪音つまおとに接したいとは以前から願っていたことで、あこがれていた心が今また大きな衝動を受けたのである。
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)
まさに、この時分の彼女の爪音つまおとには、彼女の細い腕から出るものではない大きな、ふくみのある、深い、幅の広い音が出ていた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そうして、出戻りの侘びしい身の憂さを糸の調べに慰めているのである。思いなしかその爪音つまおとは、人の涙をはじき出すように哀れにふるえていた。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)