爪先上つまさきあがり)” の例文
みちは野原のすすきを分けてやや爪先上つまさきあがりの処まで来ると、ちらと自分の眼に映ったのは草の間から現われている紙包。自分はけ寄って拾いあげて見るとなかに百円束が一個ひとつ。自分は狼狽あわて懐中ふところにねじこんだ。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)