爪彈つめびき)” の例文
新字:爪弾
する物と見えたり成程此宿このしゆく繁花はんくわにて家數も多く作りて立派なり晝前なるに料理屋に三味線さみせんの音ありさだめて木曾の歌の古雅なるならんと立寄れば意氣がりて爪彈つめびきで春雨いらぬ事ながら何やら憎く思はれぬ道中筋の繁花な所といふと得て生意氣な風が吹て可厭いやな臭がしたがる者なり賢くも昨夜ゆふべの宿を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)