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持添
按摩は
其仰向いて
打傾いた、
耳の
痒いのを
掻きさうな
手つきで、
右手に
持添へた
杖の
尖を、
輕く、コト/\コト/\と
彈きながら
鼠のぐたりとした
帽子を
被つて、
片手に
其の
杖、
右の
手首に、
赤玉の
一連の
數珠を
輪にかけたのに、
一つの
鐸を
持添へて、チリリリチリリリと、
大な
手を
振つて
鳴らし
あん、と口を
開いた中へ、紫玉は
止む事を得ず、手に
持添へつつ、釵の
脚を
挿入れた。