“持上”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もちあが40.7%
もちあ29.6%
もた7.4%
もちあげ7.4%
もたげ3.7%
もちあがっ3.7%
もちゃ3.7%
もちや3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
巴里パリイ唯一の芸術新聞コメデイアの記者で常に直截鋭利な議論を書く有名な若手の劇評家エミイル・マス君との間に決闘沙汰ざた持上もちあがつて
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
彼はそれを防ぐように左肩を高く持上もちあげ鼻の先に汗をいた。うしろから行くマギイ婆さんは何となく嫉妬しっとを感じ始めた。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しばらくすると、すッと障子を開けましたが、私が枕を持上もたげる時には、もう畳を三畳ばかりすらすらと歩行あるいて来ました。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「じゃア、一しょにおいで!」といって、継母ままはは部屋へやへはいって、はこふた持上もちあげげながら、「さア自分じぶん一個ひとつりなさい。」
不図ふとした事で私が筆をとって、事の必要なる理由を論じて喋々喃々ちょうちょうなんなん数千言、んでくゝめるようにいって聞かせた跡で、間もなく天下の輿論よろんが一時に持上もちあがって来たから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
柔かそうな腕が、時とすると二の腕まであらわれて、も少し持上もちゃげたら腋の下が見えそうだと、気を揉んでいるうちに、又もとの位置に戻って了う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
軽蔑けいべつの裏にひそんでいる不気味な方面が強く頭を持上もちやげた時、お延の態度は急に改たまった。すると小林はそれを見届けた証拠しょうこにか、またはそれに全くの無頓着むとんじゃくでか、アははと笑い出した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)