“母樣”のいろいろな読み方と例文
新字:母様
読み方割合
はゝさま19.2%
かあさま15.4%
つかさん15.4%
かゝさま11.5%
おつかさん7.7%
はゝさん7.7%
おつかさま3.8%
はヽさま3.8%
かあさん3.8%
かさま3.8%
かゝさん3.8%
はゝおや3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おちつけずや母樣はゝさまにはねがはんとてはなたまはず夫樣おくさままたくれ/″\のおほせにそのまゝの御奉公ごほうこう都會みやこなれぬとてなにごとも不束ふつゝかなるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
丁度自分が、お祖父樣ぢいさま父樣とうさま母樣かあさま姉樣ねえさま一所いつしよに、夕餐ゆうげ團欒まどゐ最中さなかに、此の聲が起るのだからたまらない。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
それではわたしもどります、亥之いのさんがかへつたらばよろしくいふていてくだされ、お父樣とつさんもお母樣つかさん御機嫌ごきげんよう、此次このつぎにはわらふてまゐりまするとて是非ぜひなさゝうにたちあがれば
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
剥出むきだし是サ此子はこはい事はない此伯父と一所に歩行々々あゆめ/\引摺ひきずり行を娘はアレ/\勘忍かんにんして下されませ母樣かゝさまが待て居ますと泣詫なきわびるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
迷兒まひごかなしさが充滿いつぱいなので、そんなことにはがつきやしないんだらう、巡査じゆんさにすかされて、いちやあ母樣おつかさんてくれないのとばかりおもんだので
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
太郎たらう仕立したてるにも母樣はゝさん馬鹿ばかにするになられたらなんとしまする、ふだけのこと屹度きつとふて、それがるいと小言こゞとをいふたらなんわたしにもうちありますとてるがからうではいか
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これでも貴下あなた母樣おつかさま何囘忌なんくわいきぐらゐはこゝろおぼえてりますところへ、あま思懸おもひがけないおかたにお目通めどほりをいたしましたで、つい、其處そこ
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのさまれに遠慮ゑんりよらず、やなときやといふがよし、れを他人たにんをとこおもはず母樣はヽさまどうやうあまたまへとやさしくなぐさめて日毎ひごとかよへば
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
狂風一陣きやうふういちぢんこずゑをうごかしてきたつたをりには、父樣とうさん母樣かあさん兄樣にいさんれも後生ごしやうかほせてくださるな、とて物陰ものかげにひそんでく、こゑはらわたしぼすやうにてわたしわる御座ござりました
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おつ母樣かさまの不機嫌になつたのにも、程なく馴れて、格別しをれた樣子もなく、相變らず小さい爭鬪と小さい和睦との刻々に交代する、賑やかな生活を續けてゐる。
最後の一句 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
うかゞそつ起出おきいで押入おしいれの中に有る箪笥たんす抽斗ひきだしを開け金をうばひ取らんとなせしかど錠前ぢやうまへ堅固けんごなれば急にあける事かなはず其中に十二歳なるむすめ不※ふとさま母樣かゝさんれ直助がと云ふ聲聞き立石が枕邊まくらべにある刀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
母樣はゝおやは子に甘きならひ、聞く毎々こと/″\に身にしみて口惜しく、父樣とゝさんは何と思し召すか知らぬが元來もと/\此方こちから貰ふて下されと願ふて遣つた子ではなし
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)