母樣おつかさん)” の例文
新字:母様
迷兒まひごかなしさが充滿いつぱいなので、そんなことにはがつきやしないんだらう、巡査じゆんさにすかされて、いちやあ母樣おつかさんてくれないのとばかりおもんだので
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「それも左樣さうか。おい、かんでもい、かないで、大人おとなしくしてるとな、母樣おつかさんれにるんぢや。」
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
母樣おつかさんうした、うむ、母樣おつかさんは、母樣おつかさんは。」と、見張員みはりゐん口早くちばやたづした。なきじやくりをしいしい
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
母樣おつかさんが、ひざはじいて、ずらりと、ずらすやうにまたいでりると、氣輕きがるにてく/\と土間どまた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あのね、母樣おつかさん。」と、むすめがあたりをねたていで、すこあまえるやうに低聲こごゑつた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
母樣おつかさんまへであるから、なん見得みえも、色氣いろけもなう、鼻筋はなすぢとほつた、生際はえぎはのすつきりした、きつとして、まゆやさしい、お小姓こしやうだちのいろしろい、面長おもながなのを横顏よこがほで、——團子だんご一串ひとくし小指こゆびねて
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)