“おつかさん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
母樣11.8%
御母樣11.8%
母様11.8%
阿母様11.8%
御母様11.8%
義母5.9%
阿母5.9%
老母5.9%
亡母5.9%
嬢々5.9%
老萱5.9%
阿母樣5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それも左樣さうか。おい、かんでもい、かないで、大人おとなしくしてるとな、母樣おつかさんれにるんぢや。」
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
片親に成るかと思ひますると意地もなく我慢もなく、詫て機嫌を取つて、何でも無い事に恐れ入つて、今日までも物言はず辛棒して居りました、御父樣おとつさん御母樣おつかさん
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ね、母様おつかさん、あのおやしきぼつちんママあをだの、むらさきだのまじつた、着物きものより、はなはうがうつくしいつて、さういふのね。だもの、先生せんせいなんざ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
阿母様おつかさんの女優は胡散うさんさうな顔をしてじつと娘を見た。
最早もうあの顔を見ぬ決心で出て参りました、まだ私の手より外誰れの守りでも承諾しようちせぬほどのあの子を、だまして寐かして夢のうちに、わたくしは鬼に成つて出て参りました、御父様おとつさん御母様おつかさん
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
同伴者つれ親類しんるゐ義母おつかさんであつた。此人このひと途中とちゆう萬事ばんじ自分じぶん世話せわいて、病人びやうにんなる自分じぶんはらまでおくとゞけるやくもつたのである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『ほんとに、さうでしたねえ』とだれ合槌あひづちうつれた、とおもふと大違おほちがひ眞中まんなか義母おつかさんいましもしたむい蒲鉾かまぼこいでらるゝところであつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
れも皆な先生の御蔭様おかげさまなんですからねエ——其れに阿母おつかさん、兼さんから消息おたよりがありましテ、私、始終しじゆう気になりましてネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
晩餐を果てて、三人燈下に物語りつゝあり、「何だか、阿母おつかさん、先生が御不在ともや、其処そこいらが寂しいのねエ」と、お花は、篠田の書斎のかたかへりみつゝ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「ハア、——老母おつかさんも——」と、嫣然えんぜんとして上り来れるお花は、かしら無雑作むざふさ束髪そくはつに、木綿もめんころも、キリヽ着なしたる所、ほとんど新春野屋の花吉はなきちの影を止めず、「大和おほわさんは学校——左様さうですか、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
此の老女をいたはつて下ださい、是れは先頃芸妓殺げいぎころしうたはれた、兼吉と云ふ私の友達の実母です、——老母おつかさん、私は、或は明日から他行たぎやうするも知れないが、少しも心置なく此の令嬢かた御信頼おたよりなさい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
左様さやう、余程意思の強い女性ひとらしいです——何でも亡母おつかさんが偉かつたと云ふことだから」と篠田は言ふ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
嬢々おつかさんはたつた此間こないだ無くなりました。ニユウ、イングランドから来た旅商人と喧嘩をして、余りおこつたので、卒中とかいふ病をおこしたのだといふことです。」
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
「そしてお前の老萱おつかさんは何処に居ます。」
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
『もう泣かないの、今阿母樣おつかさんの處へ伴れてつて下さるわ。ねえ、新坊さん、もう泣かないの。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)