母様おつかさん)” の例文
旧字:母樣
わたし其時分そのじぶんなんにもらないでたけれども、母様おつかさん二人ふたりぐらしは、この橋銭はしせんつてつたので、一人前ひとりまへ幾于宛いくらかづゝつてわたしました。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ね、母様おつかさん、あのおやしきぼつちんママあをだの、むらさきだのまじつた、着物きものより、はなはうがうつくしいつて、さういふのね。だもの、先生せんせいなんざ。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これおちやう母様おつかさんのいふ事も兄様にいさんのおつしやる事もお前は合点がてんかないかい、狂気きちがひやうな娘を持つたわたしなんといふ因果であらうね。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
けつしてちがつたことではない、トさうおもつてるのに、先生せんせいのは、まるで母様おつかさんのとちがつたこといふんだから心服しんぷくはされないぢやありませんか。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)