“嫣然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えんぜん60.5%
にっこり12.3%
につこり12.3%
にこり4.9%
につこ2.5%
にこやか2.5%
にやにや1.2%
にこにこ1.2%
にっ1.2%
につ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ソクラテスは嫣然えんぜん笑って、「さらば罪あって死ぬのは残念でないのか。死ぬる死なぬは畢竟ひっきょう第二義のことだ。心の鍛錬が第一義だ。」
ソクラテス (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
と云って鈴の様な目を見はり、それから、くすぐったい様な表情で、唇を何とも云えぬ愛らしい恰好に曲げて、嫣然にっこりと微笑するのが癖であった。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
入口を見ると、三分刈のクリ/\頭が四つ、朱鷺色ときいろのリボンを結んだのが二つ並んで居た。自分が振り向いた時、いづれも嫣然につこりとした。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
お才も嫣然にこり歯を見せつ「だがネ、彼妓あのこの剛情にも因つて仕舞しまふのねエ、口の酸つぱくなる程言つて聞かせるに、松島さんの妾など真平まつぴら御免テ逃げツちまふんだもの」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
なげくべきことならずと嫣然につこみてしづかに取出とりいだ料紙りやうしすゞりすみすりながして筆先ふでさきあらためつ、がすふみれ/\がちて明日あす記念かたみ名殘なごり名筆めいひつ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私の居る特等席の正面七八間の処まで来て馬を止めると、見物一同に向って嫣然にこやかに一礼をした。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
が、何を思い出したか、嫣然にやにや笑いながら、「それでも忠一君はの女に思惑でも有ったと見えて、しきりからかって騒いでいましたよ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
見ればお葉は嫣然にこにこして、相変らず小手招ぎをしている。市郎は黙って霎時しばらく睨んでいた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
たまたま喬が外出していると、連城がおじの家へいっていて帰って来るのにいき遇った。喬はそこで連城の顔をきっと見た。連城はながし目をして振りかえりながら白い歯を見せて嫣然にっとした。
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
かう云つて嫣然につとした。そして
畜生道 (新字旧仮名) / 平出修(著)