嫣然につこ)” の例文
なげくべきことならずと嫣然につこみてしづかに取出とりいだ料紙りやうしすゞりすみすりながして筆先ふでさきあらためつ、がすふみれ/\がちて明日あす記念かたみ名殘なごり名筆めいひつ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
左様さうねエ、ぢや私、両方へ嫁きませうか」と、姉は振り返つて嫣然につこと笑ふ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ましてむこむかへんの嫁入よめいりせんのと、ひとめかしきのぞすこしもなし、たゞそなたさへ見捨みすてずは、御身おんみさへいとはせたまはずは、生涯しやうがい幸福かうふくぞかしとて嫣然につことばかりうちめば、松野まつのじり/\とひざすゝめて
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)