“にこやか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
莞爾60.0%
嫣然20.0%
囅然10.0%
婉然10.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「これはこれはオースチンご老師ようこそおいでくだされました」その若い武士はこう云うと莞爾にこやかに笑って頭を下げ、
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さようさよう只今の名は葉之助殿でござったな。しかしやっぱり猪太郎じゃ。さよう少くも幼名はな」神々しい姿のその人はこう云うと莞爾にこやかに微笑んだが、「何んとそうではござらぬかな」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
世辞せじあきなふのだから主人あるじ莞爾にこやかな顔、番頭ばんとうあいくるしく
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
はや竹椽ちくえんのもとに一揖いつしふするを、糸子いとこかるくけて莞爾にこやか
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
梅子はいとも莞爾にこやかに「剛さん、可笑をかしいのねエ、私が何時いつ貴郎あなたを信用しなかつたの、私は貴郎の様な学問も品性も優等なるおとゝのあることを、お友達にまで誇つて居る程ぢやありませんか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
吾輩がシャッポを脱ぐと、令嬢も嫣然にこやかにお礼を返した。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その十分に調子付いた見物の亢奮こうふん的喝采のうちに、コサック式の白い外套、白い帽子、白手袋、白長靴、銀拍車という扮装いでたちで、白馬にまたがったナイン嬢は、手綱を高やかに掻い繰りながら現われたが、私の居る特等席の正面七八間の処まで来て馬を止めると、見物一同に向って嫣然にこやかに一礼をした。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
甲野さんは茶碗を前に、くすんだ万筋の前を合して、黒い羽織のえりを正しく坐っている。甲野さんが問いけられた時、囅然にこやかな糸子の顔はうごいた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かたをはつて令兄れいけいなる大佐たいさ良君をつと武文たけぶみとのかほ婉然にこやかた。