老母おつかさん)” の例文
「ハア、——老母おつかさんも——」と、嫣然えんぜんとして上り来れるお花は、かしら無雑作むざふさ束髪そくはつに、木綿もめんころも、キリヽ着なしたる所、ほとんど新春野屋の花吉はなきちの影を止めず、「大和おほわさんは学校——左様さうですか、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
此の老女をいたはつて下ださい、是れは先頃芸妓殺げいぎころしうたはれた、兼吉と云ふ私の友達の実母です、——老母おつかさん、私は、或は明日から他行たぎやうするも知れないが、少しも心置なく此の令嬢かた御信頼おたよりなさい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)