母樣かゝさま)” の例文
新字:母様
剥出むきだし是サ此子はこはい事はない此伯父と一所に歩行々々あゆめ/\引摺ひきずり行を娘はアレ/\勘忍かんにんして下されませ母樣かゝさまが待て居ますと泣詫なきわびるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ヂュリ いゝえ、母樣かゝさま明日あすしき相應ふさはしい入用いりよう品程しなほど撰出えりだしておきました。それゆゑ、わたしにはお介意かまひなう、乳母うばはおそば夜中よぢゅう使つかくだされませ。
いつぞは正氣しやうきかへりてゆめのさめたるごとく、父樣とゝさま母樣かゝさまといふをりのありもやすると覺束おぼつかなくも一日ひとひ二日ふたひたれぬ、空蝉うつせみはからをつゝもなぐさめつ、あはれかどなるやなぎ秋風あきかぜのおとこえずもがな。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヂュリ はゝさまは何處どこにぢゃ? 母樣はゝさまうちにぢゃ。何處どこかしゃらうぞ? なにやるぞい!「あのかた被言おッしゃるには、身分みぶんのある殿方とのがたらしう、お母樣かゝさま何處どこにぢゃ?」
ヂュリ はれま、母樣かゝさま、それはまた何樣どのやうな?