“空蝉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うつせみ97.5%
ぬけがら2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今はましてがらでない気がする空蝉うつせみであったが、久しぶりで得た源氏の文字に思わずほんとうの心が引き出されたか返事を書いた。
源氏物語:16 関屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さんざん、楽しんだあげく、空蝉うつせみみたいな女のぬけ殻を、持って行くにちがいない。忠平に、そのあとを贈呈するのはおもしろい。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
菱餅も焼くのを知って、それが草色でも、白でも、紅色でも、色の選好よりこのみは忘れている、……ああ、何という空蝉ぬけがらの女になったろう、と胸が一杯になったんですよ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)