“ぬけがら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
脱殻57.6%
抜殻12.1%
脱穀9.1%
脱殼6.1%
6.1%
抜骸3.0%
空蝉3.0%
脱皮3.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この悪念でも、さすがはおんなで、つつみゆわえましたは、継合つぎあわせた蛇の脱殻ぬけがらでござりますわ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
経俊の母は、脱殻ぬけがらのようになって力なく立った。そして両手でおもておおったまますごすごと退がりかけた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いくらくれないあや単襲ひとえがさねをきらびやかに着込んだって、たましいの無い人間は空蝉うつせみ抜殻ぬけがらです。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
が、その彼らの社会に占め得た地位と、彼らとは背中合せに進んで行く僕の性格が、二重に実行の便宜を奪って、ただけかかったむなしい義理の抜殻ぬけがらを、彼らの頭のどこかに置き去りにして行ったと思えば差支さしつかえないのである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
べらぼうめえ、えものは無えやナ、おれの脱穀ぬけがらを持って行きゃ五六十銭はよこすだろう。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
予自身は、予の過去の魂に別れを告げる。むなしき脱穀ぬけがらのごとくに、その魂を後方に脱ぎ捨てる。人生は死と復活との連続である。クリストフよ、よみがえらんがために死のうではないか。
その当時晴代はたましひ脱殼ぬけがらのやうな体のがなくて、責任を負はされてゐる両親や多勢の妹たちがなかつたら、きつとあの時死んでゐたらうと思はれる程だつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
空蝉うつせみになり脱殼ぬけがらになつてしまふのである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
衣かつぎ芋のぬけがら、遠慮のかたまり二つ三つと共に器に山を築く。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
それは只今言った通り蛇の腹の多数の麟板の後端が格子の木の外面にある些細な凸起にかかり着いて、ぬけがらを損せずに尾を持って引き出し得ぬと判り、格子の外なりし頭を手に入れその方へ引くと苦もなく皮を全くし獲れた。
あの獣臭いむくろだけを私に残しておいて、いずこかへ飛び去っておしまいになり、そのうえご自分の抜骸ぬけがらに、こんな意地悪い仕草しぐさをさせるなんて、あまりと云えば皮肉ではございませんか。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
菱餅も焼くのを知って、それが草色でも、白でも、紅色でも、色の選好よりこのみは忘れている、……ああ、何という空蝉ぬけがらの女になったろう、と胸が一杯になったんですよ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この類の信念から生じたものか、本邦で蛇の脱皮ぬけがらで湯を使えばはだ光沢を生ずと信じ、『和漢三才図会』に雨に濡れざる蛇脱へびのかわの黒焼を油でって禿頭はげあたまに塗らば毛髪を生ずといい