脱穀ぬけがら)” の例文
むなしき脱穀ぬけがらのごとくに、その魂を後方に脱ぎ捨てる。人生は死と復活との連続である。クリストフよ、よみがえらんがために死のうではないか。
べらぼうめえ、えものは無えやナ、おれの脱穀ぬけがらを持って行きゃ五六十銭はよこすだろう。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あたかも毛虫がみずから紡いだ巣の中にこもるように、苦悩といっしょに孤独の中に閉じこもっていて、つらい努力のあとに、自分の心痛を脱穀ぬけがらのように振るい落とすことができたのだった。