“脱殻”のいろいろな読み方と例文
旧字:脱殼
読み方割合
ぬけがら90.9%
だっかく9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なれども、結んだのは生蛇なまへびではござりませぬ。この悪念でも、さすがはおんなで、つつみゆわえましたは、継合つぎあわせた蛇の脱殻ぬけがらでござりますわ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
病後のふるえの見える手で乱れ書きをした消息は美しかった。せみ脱殻ぬけがらが忘れずに歌われてあるのを、女は気の毒にも思い、うれしくも思えた。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「保守的な毛利家の方針がおのずから現われている西方と、革新脱殻だっかくの意気に燃えている東方との相違だ。これをもって、時代をうごかしてゆく中心の力が、いずれにるかは明瞭めいりょうではないか」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夢中の掴得かくとくであり、一苦悩期を脱殻だっかくした日からであった。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)