“脱棄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬぎす80.0%
ぬぎすて20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暗いところで小父の脱棄ぬぎすてを畳んでいながら、二人の言合いをおそろしくも浅ましくも思ったお庄は、しまいに突っ伏して笑い出した。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
おつぎはだまつて草履ざうり脱棄ぬぎすてゝ座敷ざしきけあがつて、戸棚とだなからちひさなふる新聞紙しんぶんしふくろさがして、自分じぶんひらすこ砂糖さたうをつまみして
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
脱棄ぬぎすて投出ほうりだしてあったり、おおいをとられたままの箪笥たんすの上の鏡に、疲れた自分の顔が映ったりした。お島はその前に立って、物足りぬ思いに暫くぼんやりしていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
む、む、寒いなあとか私も言って、急いで帯をグルグルと巻いて床へ潜り込む。雪江さんが私の脱棄ぬぎすてを畳んでいる。其様そんな事は好加減いいかげんにして早く来て寝なと私がいう。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)