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端
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はじ
ふりがな文庫
“
端
(
はじ
)” の例文
で、
遁
(
に
)
げないばかりに
階子
(
はしご
)
を
上
(
あが
)
ると、続いた私も、一所にぐらぐらと揺れるのに、両手を壇の
端
(
はじ
)
にしっかり
縋
(
すが
)
った。二階から女房が
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれど
私
(
わたし
)
は
如何
(
どう
)
いふものか、
其
(
それ
)
に
触
(
さは
)
つて
見
(
み
)
る
気
(
き
)
は
少
(
すこ
)
しもなく、
唯
(
たゞ
)
端
(
はじ
)
の
喰出
(
はみだ
)
した、一
筋
(
すぢ
)
の
背負揚
(
しよいあげ
)
、それが
私
(
わたし
)
の
不安
(
ふあん
)
の
中心点
(
ちうしんてん
)
であつた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼女は
金
(
きん
)
の入った厚い帯の
端
(
はじ
)
を手に取って、夫の眼に映るように、電灯の光に
翳
(
かざ
)
した。津田にはその意味がちょっと
呑
(
の
)
み込めなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「この切出しは手前のだろう。版木屋か、彫物師でもなければ使わない道具だ。
柄
(
え
)
に
籐
(
とう
)
を巻いて、
端
(
はじ
)
っこに(新)という字が書いてある」
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこには、斧が一部分を伐り開いたところや、耕された畠が食いこんでいるところに見られるような
端
(
はじ
)
における生硬さ、不完全さがない。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
▼ もっと見る
最初は唐辛の
端
(
はじ
)
を
嘗
(
なめ
)
ても辛いといった人が後には一本食べても平気になります。そうなると身体に毒で強壮な人でも種々の弊害を
惹起
(
ひきおこ
)
します。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
お繁婆さんは木皿へ盛って出されたカステラをしげしげと見ていろいろの讚辞を呈してから大切そうに
端
(
はじ
)
から崩して行く。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それには左の
端
(
はじ
)
に点のある三角形が書いてある。扉を調べると、三角形の鉄の
小板
(
こいた
)
が四隅にある。そしてその板には大きな釘が打ちつけてある。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
片手に握つてしまへば
切
(
き
)
れ
端
(
はじ
)
も現はれない樣な百圓札の十枚ばかりは直ぐに消えてしまつた。けれどもそんな小さな金ばかりの問題ではない筈であつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
さて、かようにして、私達は
愈々
(
いよいよ
)
、諸戸の故郷である紀州の
端
(
はじ
)
の一孤島へと旅立つことになったのだが、ここで一寸書添えて置かねばならぬことがある。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼は突然に立上つて路の向うの
端
(
はじ
)
まで歩いて行つた。そして歸つて來た時には、彼は何か歌を口ずさんでゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「家人をお助けくだされた
由
(
よし
)
、あれは小間使いとはいうものの、愚妻の縁辺でござってな、血筋の通った親類
端
(
はじ
)
、ようお助けくだされた。玄卿お礼を申しますじゃ」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あの長い桿には、
端
(
はじ
)
というものがないですからね。どこまでも一本ものとして続いているでしょう。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
たしかに昨日見ました巻物で、
端
(
はじ
)
の
金襴
(
きんらん
)
の模様や心棒(軸)の色に見覚えが御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それを裏書するように、
花簪
(
はなかんざし
)
の小女が、最後の料理を持って来て並べて了うと、ちらりと新兵衛に目交ぜを投げておいて、かくれるように向う
端
(
はじ
)
の暗い部屋の中へ這入っていった。
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
それから
板
(
いた
)
の
端
(
はじ
)
ん
處
(
とこ
)
からそろつと
手
(
てえ
)
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
つと
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
にやさうでもねえのがひやつと
手
(
て
)
の
先
(
さき
)
が
直
(
す
)
ぐ
水
(
みづ
)
へ
觸
(
さあ
)
つた
時
(
とき
)
にや
悚然
(
ぞつ
)
とする
樣
(
やう
)
でがしたよ、それからはあ
船
(
ふね
)
は
枕元
(
まくらもと
)
へ
繋
(
つな
)
いでたんだが
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
爺さんはそう言いながら、
側
(
そば
)
に置いてある箱から長い綱の大きな玉になったのを取り出しました。それから、その玉をほどくと、綱の一つの
端
(
はじ
)
を持って、それを
勢
(
いきおい
)
よく空へ投げ上げました。
梨の実
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
突当りの
芥溜
(
ごみため
)
わきに
九
(
く
)
尺二
間
(
けん
)
の
上
(
あが
)
り
框
(
がまち
)
朽ちて、雨戸はいつも不用心のたてつけ、さすがに
一方口
(
いつぱうぐち
)
にはあらで山の手の
仕合
(
しやわせ
)
は三尺ばかりの椽の先に草ぼうぼうの空地面、それが
端
(
はじ
)
を少し囲つて
青紫蘇
(
あをぢそ
)
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「八の字の右の棒の、一ばん
端
(
はじ
)
のところだ。」
八の字山
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
その
端
(
はじ
)
は向ふの青い光に尖り
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
... 片方の
端
(
はじ
)
をぐいと引張って釣し上げたものと見るのです」「つまり西洋洗濯屋のシャツのように女がぶら下ったと見れば好いんだろう」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
第九十八 トースプデン はパンを二分位の厚さに切ってそれを二
片
(
きれ
)
だけ
端
(
はじ
)
の固い処を切り捨ててまた二つずつに切ってベシン皿へ並べます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「一番上、右の方にブラ下げたのは
苧
(
を
)
だよ。その次は紐だが輪にして
端
(
はじ
)
つこを結んであるぢやないか。その下は
髢
(
かもじ
)
だ。これを續けて讀んでご覽」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女中はハイハイとうけ合って居たっけがそのまんま忘れて午後になって見ると大根の
切
(
きれ
)
っ
端
(
はじ
)
やお茶がらと一緒に水口の「
古馬
(
ふるば
)
けつ」の中に入って居る。
秋毛
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
おゆうはまだ水気の取りきれぬ髪の
端
(
はじ
)
に、
紙片
(
かみきれ
)
を
捲
(
まき
)
つけて、それを垂らしたまま、あたふた家を出ていった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
少年ははらばいながら岬の
端
(
はじ
)
へ出て下を覗き込んだ。少年のすぐ眼の下に底の知れない
蒼海
(
あおうみ
)
の
真只中
(
まっただなか
)
から、空中につっ立っている一つの大きな大きな巌がある。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
右臀部からの(これが一番大きい傷口なのだが)血の流れは横に流れ、腰を通って下腹部の左の
端
(
はじ
)
近くまで、つまり腰の部分を殆ど一周しているという有様であった。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
流
(
ながれ
)
に添って、
上
(
かみ
)
の方へ三町ばかり、
商家
(
あきないや
)
も四五軒、どれも片側の
藁葺
(
わらぶき
)
を見て通ると、一軒荒物屋らしいのの、横縁の
端
(
はじ
)
へ、煙草盆を持出して、六十ばかりの
親仁
(
おやじ
)
が一人。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
他の方法としては、自分の前に並べる十七憧の
何
(
いず
)
れかの一方の
端
(
はじ
)
の二枚か、又は両端の四枚をかねて、目をつけて置いた
飜牌
(
ファンパイ
)
などにして置き、これを持牌とうまく
掏
(
す
)
りかえる。
麻雀インチキ物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
小説もアクドイ翻訳ものか好色本のたぐいでなければ手にしなくなった。しまいにはそれさえも飽きて来て、神経の切れ
端
(
はじ
)
を並べたような新体詩や、近代画ばかり買うようになった。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし、何かゞ、彼の眼を
捉
(
とら
)
へた。彼は、ひつたくるやうにその紙を取り上げた。彼はその
端
(
はじ
)
を眺めた。それから、何んとも知れぬ、奇妙な、まつたくわけの分らぬ
一瞥
(
いちべつ
)
を私に投げた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
それお
内儀
(
かみ
)
さん、
兩方
(
りやうはう
)
へ
附
(
つ
)
けんだつて
恁
(
か
)
ういに
縛
(
しば
)
つて
中
(
なか
)
へたぐめた
端
(
はじ
)
つ
子
(
こ
)
が
赤
(
あか
)
くなくつちや
見
(
み
)
つともねえつてね、そんな
處
(
ところ
)
どうでもよかんべと
思
(
おも
)
ふんだが、
尤
(
もつと
)
も
其處
(
そこ
)
は一
尺
(
しやく
)
でえゝなんて
云
(
いふ
)
んでさ
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
突當
(
つきあた
)
りの
芥溜
(
ごみため
)
わきに九
尺
(
しやく
)
二
間
(
けん
)
の
上
(
あが
)
り
框
(
がまち
)
朽
(
く
)
ちて、
雨戸
(
あまど
)
はいつも
不用心
(
ぶようじん
)
のたてつけ、
流石
(
さすが
)
に一
方
(
ぱう
)
口
(
ぐち
)
にはあらで
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
の
仕合
(
しやわせ
)
は三
尺
(
じやく
)
斗
(
ばかり
)
の
椽
(
ゑん
)
の
先
(
さき
)
に
草
(
くさ
)
ぼう/\の
空地面
(
あきぢめん
)
、それが
端
(
はじ
)
を
少
(
すこ
)
し
圍
(
かこ
)
つて
青紫蘇
(
あをぢそ
)
、ゑぞ
菊
(
ぎく
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
こういう
端
(
はじ
)
から多右衛門はグーグー
鼾
(
いびき
)
をかくのであった。
日置流系図
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
二三日前に
頭
(
あたま
)
を刈つたと見えて、
髪
(
かみ
)
が甚だ
短
(
みぢか
)
い。
髭
(
ひげ
)
の
端
(
はじ
)
が濃く出てゐる。
鼻
(
はな
)
も
向
(
むか
)
ふを
向
(
む
)
ひてゐる。鼻の穴がすうすう云ふ。安眠だ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「一番上、右の方にブラ下げたのは
苧
(
お
)
だよ。その次は紐だが輪にして
端
(
はじ
)
っこを結んであるじゃないか。その下は髢だ。これを続けて読んで御覧」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
左の
端
(
はじ
)
の小板の釘を動かしてみたが、それは違うのか、扉は開かない。少年は数字の44というのに気づいた。自分たちが今立っているのは四十五段目である。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
「今日は雨ですよ。とても帰れやしませんよ」お島は
縁
(
えん
)
の
端
(
はじ
)
へ出て、水分の多い曇空を眺めながら
呟
(
つぶや
)
いた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
このおなじ店が、
筵
(
むしろ
)
三枚、三軒ぶり。
笠
(
かさ
)
被
(
き
)
た女が二人並んで、片端に
頬被
(
ほおかぶ
)
りした
馬士
(
まご
)
のような
親仁
(
おやじ
)
が一人。で、一方の
端
(
はじ
)
の所に、
件
(
くだん
)
の杢若が、縄に蜘蛛の巣を懸けて
罷出
(
まかりいで
)
た。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
第三十七 パン粉 古くないパンもサンドイッチを作る時
端
(
はじ
)
の固い処を切って取りますし、トースに焼く時も
丁寧
(
ていねい
)
にすると端を切りますがその端の処を捨ててはなりません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
だん/\と私は彼をかなり
焦
(
ぢ
)
らせた末、とう/\彼が怒つて部屋のずつと向うの
端
(
はじ
)
に引込んでしまふと、私は立上つて私らしい、いつものうや/\しい態度で、「お休み遊ばせ。」と云つて
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その名探偵が系図帳を手に入れたばかりか、態々紀州の
端
(
はじ
)
の一孤島まで出掛けて来た。もう捨てて置けない。探偵の進行を妨げる為にも、系図帳を手に入れる為にも、深山木氏を生かして置けない。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それから紐のあまりを、一方の手首にまきつけて
端
(
はじ
)
をむすんだ。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
巻き納めぬ手紙は右の手からだらりと垂れて、清三様……孤堂とかいた
端
(
はじ
)
が青いカシミヤの机掛の上に波を打って二三段に畳まれている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
照国の誠一は、屋上の庭園の
端
(
はじ
)
っこまで歩み寄って、胸壁から下をのぞきながら、こんな大変なことを言うのでした。
九つの鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
十分間ほど過ぎてその毛布を
退
(
の
)
けて茶筒の蓋を明けて見ると中の物が
端
(
はじ
)
の方だけ凍りかけて
真中
(
まんなか
)
がドロドロでいますから、
杓子
(
しゃもじ
)
でよく攪き混ぜてまた蓋をして毛布をかけておきます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
心
(
しん
)
のある
部分
(
ぶゞん
)
を
触
(
さは
)
つて
見
(
み
)
ると、
心
(
しん
)
は
堅
(
かた
)
く、
何物
(
なにもの
)
も
入
(
はい
)
つてゐさうにも
思
(
おも
)
へぬ。が、
捻
(
ひね
)
つてみると、カサヽヽと
音
(
おと
)
がして、
何
(
なに
)
やら
西洋紙
(
せいやうし
)
のやうな
感
(
かん
)
じもする。
私
(
わたし
)
は
急
(
いそ
)
いで、
端
(
はじ
)
から
振
(
ふ
)
つて
見
(
み
)
た。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
幕の
端
(
はじ
)
から、以前の
青月代
(
あおさかやき
)
が、
黒坊
(
くろんぼ
)
の気か、
俯向
(
うつむ
)
けに
仮髪
(
かつら
)
ばかりを
覗
(
のぞ
)
かせた。が、そこの絵の、狐の面が抜出したとも見えるし、古綿の黒雲から、新粉細工の三日月が覗くとも
視
(
なが
)
められる。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白い長い花弁が中心から四方へ数百片延び尽して、延び尽した
端
(
はじ
)
からまた随意に
反
(
そ
)
り返りつつ、あらん限りの狂態を演じているのがある。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「兎に角、この手拭を持つて行つて、何處で染めたか突き止めてくれ。
端
(
はじ
)
つこに印があるから、商賣人が見たら判るだらう。紺屋が判つたら、
誂主
(
あつらへぬし
)
を訊くんだぜ」
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“端”を含む語句
端折
尖端
尻端折
片端
出端
端緒
一端
端正
山端
縁端
端然
端艇
突端
上端
町端
切端
川端
下端
端々
発端
...