トップ
>
初
>
はじ
ふりがな文庫
“
初
(
はじ
)” の例文
太古
(
たいこ
)
遺跡
(
ゐせき
)
の
發掘
(
はつくつ
)
に、
初
(
はじ
)
めて
余
(
よ
)
が
手
(
て
)
を
下
(
くだ
)
したのは、
武藏
(
むさし
)
の
權現臺
(
ごんげんだい
)
である。それは
余
(
よ
)
の
品川
(
しながは
)
の
宅
(
たく
)
から
極
(
きは
)
めて
近
(
ちか
)
い、
荏原郡
(
えばらぐん
)
大井
(
おほゐ
)
の
小字
(
こあざ
)
の
事
(
こと
)
。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
太吉は全く火の燃え付いたのを見て、又
傍
(
かたわら
)
の竹を取り上げて小刀で
孔
(
あな
)
を明け
初
(
はじ
)
めた。白い
細
(
こまか
)
な粉がばらばらと破れた膝の上に落ちる。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ラプンツェルは、まだ一
度
(
ど
)
も、
男
(
おとこ
)
というものを
見
(
み
)
たことがなかったので、
今
(
いま
)
王子
(
おうじ
)
が
入
(
はい
)
って
来
(
き
)
たのを
見
(
み
)
ると、
初
(
はじ
)
めは
大変
(
たいへん
)
に
驚
(
おどろ
)
きました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
何
(
なん
)
となく
心配
(
しんぱい
)
さうな
顏
(
かほ
)
で、
左樣々々
(
さやう/\
)
、
々々
(
/\
)
、と、
打濕
(
うちしめ
)
つて
云
(
い
)
つてるかと
思
(
おも
)
ふと、やれヴオツカを
止
(
よ
)
せの、
麥酒
(
ビール
)
を
止
(
や
)
めろのと
勸
(
すゝめ
)
初
(
はじ
)
める。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
畦間
(
うねま
)
を
作
(
つく
)
りあげてそれから
自分
(
じぶん
)
も
忙
(
いそが
)
しく
大豆
(
だいづ
)
を
落
(
おと
)
し
初
(
はじ
)
めた。
勘次
(
かんじ
)
は
間懶
(
まだる
)
つこいおつぎの
手
(
て
)
もとを
見
(
み
)
て
其
(
そ
)
の
畝
(
うね
)
をひよつと
覗
(
のぞ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
いやいや、
初
(
はじ
)
めがあれば
終
(
おわ
)
りのあるものだ。
生
(
う
)
まれたものは
必
(
かなら
)
ず
死
(
し
)
ぬに
極
(
き
)
まったものだ。これは
人間
(
にんげん
)
の
定
(
さだ
)
まった
道
(
みち
)
でしかたがない。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
でもあとになって、それはある悲しい
事情
(
じじょう
)
から
初
(
はじ
)
めてわかった。いずれわたしの話の進んだとき、それを言うおりがあるであるう。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
たゞさへ
神仙
(
しんせん
)
遊樂
(
ゆうらく
)
の
境
(
きやう
)
、
特
(
こと
)
に
私共
(
わたくしども
)
は、
極端
(
きよくたん
)
なる
苦境
(
くきやう
)
から、
此
(
この
)
極端
(
きよくたん
)
なる
樂境
(
らくきやう
)
に
上陸
(
じやうりく
)
した
事
(
こと
)
とて、
初
(
はじ
)
めは
自
(
みづか
)
ら
夢
(
ゆめ
)
でないかと
疑
(
うたが
)
はるゝばかり。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
南滿洲
(
みなみまんしゆう
)
には、やはり
石器時代頃
(
せつきじだいころ
)
からすでに
人間
(
にんげん
)
が
住
(
す
)
んでをりましたが、
周
(
しゆう
)
の
末
(
すゑ
)
から
漢
(
かん
)
の
初
(
はじ
)
めに
支那人
(
しなじん
)
が
盛
(
さか
)
んに
植民
(
しよくみん
)
してゐたのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
産土
(
うぶすな
)
の
神
(
かみ
)
があって、
生死
(
せいし
)
、
疾病
(
しっぺい
)
、
諸種
(
しょしゅ
)
の
災難等
(
さいなんとう
)
の
守護
(
しゅご
)
に
当
(
あた
)
ってくれればこそ、
地上
(
ちじょう
)
の
人間
(
にんげん
)
は
初
(
はじ
)
めてその
日
(
ひ
)
その
日
(
ひ
)
の
生活
(
せいかつ
)
が
営
(
いとな
)
めるのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そこで
日本独楽
(
にほんごま
)
のはじまりは、
行成大納言
(
ゆきなりだいなごん
)
、
小松
(
こまつ
)
つぶりに
村濃
(
むらご
)
の糸をそえまして、
御所
(
ごしょ
)
でまわしたのがヤンヤとはやりだしました
初
(
はじ
)
め。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
滝田
君
(
くん
)
の
初
(
はじ
)
めて
僕
(
ぼく
)
の家へ来たのは
僕
(
ぼく
)
の大学を出た年の
秋
(
あき
)
、——
僕
(
ぼく
)
の
初
(
はじ
)
めて「
中央公論
(
ちゅうおうこうろん
)
」へ「
手巾
(
はんけち
)
」という
小説
(
しょうせつ
)
を書いた時である。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
とにかくその
初
(
はじ
)
めは切
實
(
じつ
)
な人間生
活
(
くわつ
)
の
慰樂
(
いらく
)
として
遊
(
あそ
)
びとして
創
(
つく
)
り成された
將棋
(
せうき
)
に
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おも
)
ふが、それを
慰樂
(
いらく
)
や
遊
(
あそ
)
びの
域
(
いき
)
を遙に
越
(
こ
)
えて
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ところが、フト、友人に手紙を書かなければならない事を思い出したので、銃を机の上に置いたまま、手紙を書き
初
(
はじ
)
めたのです。
火縄銃
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
初
(
はじ
)
めは
俳畫
(
はいぐわ
)
のやうだと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たが、これ
實
(
じつ
)
に
畫
(
ゑ
)
でも
何
(
なん
)
でもない。
細雨
(
さいう
)
に
暮
(
く
)
れなんとする
山間村落
(
さんかんそんらく
)
の
生活
(
せいくわつ
)
の
最
(
もつと
)
も
靜
(
しづ
)
かなる
部分
(
ぶゝん
)
である。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
短歌
(
たんか
)
などもそれで、
日本
(
につぽん
)
の
初
(
はじ
)
めの
歌
(
うた
)
から、
非常
(
ひじよう
)
な
整頓
(
せいとん
)
が
行
(
おこな
)
はれ/\して、かういふ
簡單
(
かんたん
)
で、
思
(
おも
)
ひの
深
(
ふか
)
い
詩
(
し
)
の
形
(
かたち
)
が、
出來
(
でき
)
て
來
(
き
)
たのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
見張り
初
(
はじ
)
めてより
幾程
(
いくほど
)
も無く余は目科の振舞に
最
(
い
)
と怪しく
且
(
かつ
)
恐ろしげなる事あるを見て
何
(
ど
)
うせ
碌
(
ろく
)
な人には
非
(
あら
)
ずと思いたり、其事は
他
(
ほか
)
ならず
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
本堂
(
ほんだう
)
の
方
(
はう
)
では
経
(
きやう
)
を
読
(
よ
)
む
声
(
こゑ
)
、
鉦
(
かね
)
を
打
(
う
)
つ
音
(
おと
)
もしてゐる。
道子
(
みちこ
)
は
今年
(
ことし
)
もいつか
盆
(
ぼん
)
の十三
日
(
にち
)
になつたのだと
初
(
はじ
)
めて
気
(
き
)
がついた
時
(
とき
)
である。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
著者
(
ちよしや
)
は
初
(
はじ
)
め
此話
(
このはなし
)
が
南洋傳來
(
なんようでんらい
)
のものではあるまいか、と
疑
(
うたが
)
つてみたこともあるが、
近頃
(
ちかごろ
)
研究
(
けんきゆう
)
の
結果
(
けつか
)
、さうでないように
思
(
おも
)
はれて
來
(
き
)
たのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
初
(
はじ
)
め
天皇
(
てんのう
)
、帝位にお
即
(
つ
)
きになろうとしました時に御辭退遊ばされて「わたしは長い病氣があるから帝位に
即
(
つ
)
くことができない」
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
童子は
初
(
はじ
)
めからお
了
(
しま
)
いまでにこにこ
笑
(
わら
)
っておられました。須利耶さまもお笑いになりみんなを
赦
(
ゆる
)
して童子を
連
(
つ
)
れて
其処
(
そこ
)
をはなれなさいました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼れ等は出来たたばこの葉を西印度で印度人に教へられたやうに、
捲
(
ま
)
いてふかし
初
(
はじ
)
めたが、それをお客にすゝめる場合の挨拶がいつのまにか
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
父
(
とう
)
さんも、そんな
大
(
おほ
)
きな
川
(
かは
)
を
見
(
み
)
るのは
初
(
はじ
)
めてでした。
青
(
あを
)
い、どろんとした
水
(
みづ
)
は
渦
(
うづ
)
を
卷
(
ま
)
いて、
大
(
おほ
)
きな
岩
(
いは
)
の
間
(
あひだ
)
を
流
(
なが
)
れて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
自
(
みづか
)
ら
思
(
おも
)
ふやう、『
何時
(
いつ
)
話
(
はな
)
し
終
(
を
)
へるんだか
私
(
わたし
)
には
解
(
わか
)
らないわ、
話
(
はな
)
し
初
(
はじ
)
めもしないで
居
(
ゐ
)
てさ』
併
(
しか
)
し
愛
(
あい
)
ちやんは
我慢
(
がまん
)
して
待
(
ま
)
つてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
はツ、
初
(
はじ
)
めましてお
目通
(
めどほ
)
りを
仕
(
つかまつ
)
ります。へえ、
今度
(
このたび
)
はまた
格別
(
かくべつ
)
の
御註文
(
ごちうもん
)
仰
(
おほ
)
せつけられまして、
難有
(
ありがた
)
い
仕合
(
しあは
)
せにござります。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
日本
(
にほん
)
の
化物
(
ばけもの
)
は
後世
(
こうせい
)
になる
程
(
ほど
)
面白
(
おもしろ
)
くなつて
居
(
ゐ
)
るが、
是
(
これ
)
は
初
(
はじ
)
め
日本
(
にほん
)
の
地理的關係
(
ちりてきくわんけい
)
で
化物
(
ばけもの
)
を
想像
(
さうざう
)
する
餘地
(
よち
)
がなかつた
爲
(
ため
)
である。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
金太郎は
初
(
はじ
)
め、氣にもかけず聞きながしてゐたが、「助けてくれえ、助けてくれえ、と
叫
(
さけ
)
びながら下りていつたさうだ」
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
途方
(
とはう
)
にくれて
其
(
そ
)
の
嫁
(
よめ
)
が
塩原
(
しほばら
)
の
内井戸
(
うちゐど
)
へ
飛込
(
とびこ
)
んで
幽霊
(
いうれい
)
に出るといふのが
潰
(
つぶ
)
れ
初
(
はじ
)
めで、あの大きな
家
(
うち
)
が
潰
(
つぶ
)
れてしまつたが、
何
(
なん
)
とこれは
面白
(
おもしろ
)
い
怪談
(
くわいだん
)
だらう
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
きのふけふ咲きぬると見し
四九
尾上
(
をのへ
)
の花も散りはてて、涼しき風による浪に、
五〇
とはでもしるき夏の
初
(
はじ
)
めになりぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
今
初
(
はじ
)
めてつく/″\とそれを見れば、
長
(
なが
)
い顏、
丸
(
まる
)
い顏、眼のつツたのや
口
(
くち
)
の大きいのと、さまざまなうちにも、おしなべてみんなが
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
りましたこと。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ぺらぺら言いすぎる。ちっとは自分で考えるようにしろ。自分一個の意見をいえ。
初
(
はじ
)
めは、一つきりでもかまわん
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
尤
(
もつと
)
も、
私
(
わたし
)
の
父
(
ちゝ
)
は
初
(
はじ
)
め
小
(
ちひ
)
さな
士族
(
しぞく
)
として、
家屋
(
かをく
)
と、
宅地
(
たくち
)
と、
其
(
そ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
の
少
(
すこ
)
しの
山
(
やま
)
と、
金祿公債證書
(
きんろくこうさいしようしよ
)
の
何
(
なん
)
百
圓
(
ゑん
)
かを
所有
(
しよいう
)
してゐたが、
私
(
わたし
)
が
家督
(
かとく
)
を
相續
(
さうぞく
)
した
頃
(
ころ
)
には
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
その
袖
(
そで
)
をおとりになると、
顏
(
かほ
)
を
隱
(
かく
)
しましたが、
初
(
はじ
)
めにちらと
御覽
(
ごらん
)
になつて、
聞
(
き
)
いたよりも
美人
(
びじん
)
と
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
されて
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
卑賤
(
ひせん
)
にそだちたる
我身
(
わがみ
)
なれば
初
(
はじ
)
めより
此上
(
このうへ
)
を
見
(
み
)
も
知
(
し
)
らで、
世間
(
せけん
)
は
裏屋
(
うらや
)
に
限
(
かぎ
)
れるものと
定
(
さだ
)
め、
我家
(
わがや
)
のほかに
天地
(
てんち
)
のなしと
思
(
おも
)
はゞ、はかなき
思
(
おも
)
ひに
胸
(
むね
)
も
燃
(
も
)
えじを
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
許
(
ゆる
)
し下されと幼年に
似合
(
にあは
)
ず思ひ入たる
有樣
(
ありさま
)
に聞居る名主を
初
(
はじ
)
め
村中
(
むらぢう
)
の者は
只管
(
ひたすら
)
感心
(
かんしん
)
するより外なく皆々口を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「いや、
噂
(
うわさ
)
はかねて
聞
(
き
)
いておったが、
眼
(
め
)
で
見
(
み
)
たのは
今
(
いま
)
が
初
(
はじ
)
めて。まことにはや。
面目次第
(
めんぼくしだい
)
もござりませぬて」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
もう
下界
(
した
)
を
見
(
み
)
ても、なにもかもわからないほどだ。
初
(
はじ
)
めの
元気
(
げんき
)
もどこへやら、ペンペは
胸
(
むね
)
がドキドキする。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
しようもないことが、お
氣
(
き
)
に
召
(
め
)
したとは
存
(
ぞん
)
じて
居
(
を
)
りましたが、しかし
殿樣
(
とのさま
)
にあの
時
(
とき
)
のことをすツかり
愚老
(
ぐらう
)
の
口
(
くち
)
から
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げますのは、
今日
(
けふ
)
が
初
(
はじ
)
めでござります。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
そして、しばらく
物
(
もの
)
をも
云
(
い
)
はずに
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んだやうにしてゐると、
急
(
きふ
)
に
日
(
ひ
)
が
短
(
みぢ
)
かくなつたやうに、
開
(
あ
)
けはなしてある
椽
(
えん
)
の
方
(
はう
)
からうす
暗
(
くら
)
い
影
(
かげ
)
が
見
(
み
)
え
初
(
はじ
)
めるのであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
南明館
(
なんめいくわん
)
あたりの
暗
(
くら
)
い
横町
(
よこちやう
)
で
初
(
はじ
)
めて
口
(
くち
)
を
利合
(
きゝあ
)
ひ、
其
(
それ
)
からちよく/\
男
(
をとこ
)
の
下宿
(
げしゆく
)
へも
出入
(
しゆつにふ
)
した
事情
(
じゞやう
)
が
大体
(
だいたい
)
判
(
わか
)
る。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
一、七月九日一通り大原公の事、鯖江
要駕
(
ようが
)
の事等を申立てたり。
初
(
はじ
)
め
意
(
おもえ
)
らく、これらの事幕にも
已
(
すで
)
に諜知すべければ、明白に申立てたる方かえって
宜
(
よろ
)
しきなりと。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
社會的
(
しやくわいてき
)
に
觀察
(
くわんさつ
)
すれば、
嫁
(
よめ
)
にもらひ
手
(
て
)
のない
女文士
(
をんなぶんし
)
の
救濟家
(
きうさいか
)
(この一
句
(
く
)
、
失言
(
しつげん
)
、
取消
(
とりけ
)
し。こんな
事
(
こと
)
もあらうかと、
初
(
はじ
)
めに、
皆
(
みな
)
美人
(
びじん
)
だと、
御世辭
(
おせじ
)
をいつておいたのだが)
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
東京
(
とうきよう
)
では
一月
(
いちがつ
)
中旬
(
ちゆうじゆん
)
に
蕾
(
つぼみ
)
を
開
(
ひら
)
き
初
(
はじ
)
め、
二月
(
にがつ
)
に
至
(
いた
)
つて
滿開
(
まんかい
)
し、
三月
(
さんがつ
)
の
上旬
(
じようじゆん
)
まで
花
(
はな
)
を
開
(
ひら
)
きつゞけてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
長
(
なが
)
く水流中に在りし
冷気
(
れいき
)
と
露営
(
ろえい
)
の
寒気
(
かんき
)
と
合
(
あは
)
せ来るに
逢
(
あ
)
ひ、此好温泉塲を
得
(
え
)
て
初
(
はじ
)
めて
蘇生
(
そせい
)
するの
想
(
おもひ
)
あり、一行の内終夜温泉に浴して
眠
(
ねむ
)
りし者多し、
真
(
しん
)
に山中の
楽園
(
らくえん
)
と謂ふべし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
其
(
その
)
初
(
はじ
)
めに、
成效
(
せいかう
)
の
祕訣
(
ひけつ
)
といふ
樣
(
やう
)
なものが
箇條書
(
かでうがき
)
にしてあつたうちに、
何
(
なん
)
でも
猛進
(
まうしん
)
しなくつては
不可
(
いけ
)
ないと
云
(
い
)
ふ一ヶ
條
(
でう
)
と、たゞ
猛進
(
まうしん
)
しても
不可
(
いけ
)
ない、
立派
(
りつぱ
)
な
根底
(
こんてい
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
馬鹿
(
ばか
)
なことをおっしゃるな。
初
(
はじ
)
めての大切なお客さまを、わざわざ
困
(
こま
)
らせるようなことを
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
時
(
とき
)
は
冬
(
ふゆ
)
の
初
(
はじめ
)
で、
霜
(
しも
)
が
少
(
すこ
)
し
降
(
ふ
)
つてゐる。
椒江
(
せうこう
)
の
支流
(
しりう
)
で、
始豐溪
(
しほうけい
)
と
云
(
い
)
ふ
川
(
かは
)
の
左岸
(
さがん
)
を
迂囘
(
うくわい
)
しつつ
北
(
きた
)
へ
進
(
すゝ
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
初
(
はじ
)
め
陰
(
くも
)
つてゐた
空
(
そら
)
がやうやう
晴
(
は
)
れて、
蒼白
(
あをじろ
)
い
日
(
ひ
)
が
岸
(
きし
)
の
紅葉
(
もみぢ
)
を
照
(
てら
)
してゐる。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
英米
(
えいべい
)
を
初
(
はじ
)
め
歐羅巴諸國
(
ヨーロツパしよこく
)
の
戰後
(
せんご
)
の
状態
(
じやうたい
)
を
見
(
み
)
ると、
戰爭中
(
せんさうちう
)
は
巨額
(
きよがく
)
の
借入金
(
かりいれきん
)
をして
居
(
ゐ
)
る。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
青海
(
せいかい
)
の簾高く捲き上げて、前に廣庭を眺むる大弘間、咲きも殘らず散りも
初
(
はじ
)
めず、
欄干
(
おばしま
)
近く雲かと
紛
(
まが
)
ふ滿朶の櫻、今を盛りに匂ふ
樣
(
さま
)
に、月さへ
懸
(
かゝ
)
りて夢の如き
圓
(
まどか
)
なる影、朧に照り渡りて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
林檎
(
りんご
)
の
木
(
き
)
は
今
(
いま
)
いっぱいの
花
(
はな
)
ざかり、
香
(
かぐ
)
わしい
接骨木
(
にわどこ
)
はビロードの
様
(
よう
)
な
芝生
(
しばふ
)
の
周
(
まわ
)
りを
流
(
なが
)
れる
小川
(
おがわ
)
の
上
(
うえ
)
にその
長
(
なが
)
い
緑
(
みどり
)
の
枝
(
えだ
)
を
垂
(
た
)
れています。
何
(
なに
)
もかも、
春
(
はる
)
の
初
(
はじ
)
めのみずみずしい
色
(
いろ
)
できれいな
眺
(
なが
)
めです。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
“初”の意味
《名詞》
初(はつ)
はじめ。はじまって間もない時期。
第一回。
ある期間のなかで最も先。
対義語:末
(出典:Wiktionary)
初
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“初”を含む語句
最初
初々
初更
劫初
当初
初声
初子
初見参
初詣
出初
初心
初春
見初
太初
初日
初瀬詣
初生
初手
初夏
初陣
...