“左岸”の読み方と例文
読み方割合
さがん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ときふゆはじめで、しもすこつてゐる。椒江せうこう支流しりうで、始豐溪しほうけいかは左岸さがん迂囘うくわいしつつきたすゝんでく。はじくもつてゐたそらがやうやうれて、蒼白あをじろきし紅葉もみぢてらしてゐる。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
もう役所は午引ひるびけになっている。石田は馬に蹄鉄ていてつを打たせに遣ったので、司令部から引掛ひきがけに、紫川むらさきがわ左岸さがんの狭い道を常磐橋ときわばしの方へ歩いていると、戦役せんえき以来心安くしていた中野という男に逢った。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)