“蹄鉄”のいろいろな読み方と例文

読み方	割合
ていてつ	62.5%
かなぐつ	16.7%
ひづめ	8.3%
あしがね	4.2%
かね	4.2%
くつがね	4.2%

ていてつ

ごくとしよりの馬などは、わざわざ蹄鉄（ていてつ）をはずされて、ぼろぼろなみだをこぼしながら、その大きな判をぱたっと証書に押したのだ。

フランドン農学校の豚 (新字新仮名) ／ 宮沢賢治(著)

かなぐつ

ほんとに腕の達者な鍛冶屋でしたが！　お蔭で今じゃもう、妾は馬車で出かける訳にもゆかないのですよ、馬の蹄鉄（かなぐつ）を打つ者がありませんのでね。

死せる魂：01 または　チチコフの遍歴　第一部　第一分冊 (新字新仮名) ／ ニコライ・ゴーゴリ(著)

ひづめ

唄は直（じ）きに杜絶えた。と、道が登り坂になって、蹄鉄（ひづめ）のはげしく石に触れる音がする。馬子はぴしゃりぴしゃりと鞭をあてながら、尖（とんが）り声で馬を叱りとばしている。

乞食 (新字新仮名) ／ モーリス・ルヴェル(著)

あしがね

暮の岨の雪踏み来る荷駄馬の蹄鉄（あしがね）に穿く大き草鞋（わらんぢ）

風隠集 (新字旧仮名) ／ 北原白秋(著)

かね

焼き鉄（がね）よはやるひづめに蹄鉄（かね）うつと己（し）が踝（くるぶし）も火もて焼きそね

夢殿 (新字旧仮名) ／ 北原白秋(著)

くつがね

前には、おれは片方の手で五哥（カペイカ）銅貨や馬の蹄鉄（くつがね）を折り曲げたり伸ばしたりすることだつて出来たのに、今ぢやあ炭の袋さへ担げないのだ。

ディカーニカ近郷夜話　後篇：02 降誕祭の前夜 (新字旧仮名) ／ ニコライ・ゴーゴリ(著)

“蹄鉄”の意味

《名詞》
蹄鉄 （ていてつ）

馬の蹄に取り付けられるU字状の金物。人間の靴に該当する部品。蹄の擦れや滑りを減らし、また摩耗を防ぐことを目的として蹄の下面に固定する。
(出典:Wiktionary)

“蹄鉄”の解説

蹄鉄（ていてつ）は、主に馬の蹄（ひづめ）を保護するために装着される、U字型の保護具である。
蹄鉄は蹄の破損を防止し、摩耗を防ぐために用いられる。野生の馬と異なり、家畜の馬は蹄が弱くて摩耗してしまう（詳しくは後述）。これを避けるために蹄鉄が考案された。同様の理由で、ロバや役牛用の蹄鉄もある(牛蹄鉄)。
はじめに蹄鉄が西洋の文献に現れるのは、4世紀にギリシア人によってもたらされてからで、様々な品種の馬、および様々な用途のために改良が加えられ、素材も様々なものが使用された。
鉄、アルミニウム、ゴム、プラスチック、牛皮、またはそれらを組み合わせた素材で作られる。一般的な素材は鉄だが、日本の競馬においては軽量なアルミニウム合金が用いられている 。その他、マグネシウムやチタンあるいは銅が使われることもある。
(出典:Wikipedia)

蹄	漢検準1級 部首:⾜ 16画
鉄	常用漢字 小３ 部首:⾦ 13画