黄櫨はじ)” の例文
西空にうすら明りはあるのに、もう美術学校の黄櫨はじの梢は、紅を闇に沈めてただ濃く黒いかげと見えるばかりである。婦人閲覧人たちは、殆どみんなこの時刻に帰り仕度をはじめた。
図書館 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「そうだった!」と山番の一人、バラバラと彼方あなた黄櫨はじの木の下へ駈けだした。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
えつや、黄櫨はじ乾反葉ひそりばに、またつるばみ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
茶室づくりの土庇を斜にかすめて黄櫨はじの樹が屋根の方へ高くのびている。
二つの庭 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
黄櫨はじのうははくれなゐに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
美術学校の左側の塀を越して、紅葉した黄櫨はじの枝がさし出ている。
図書館 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
黄櫨はじのうは葉はくれなゐに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
黄櫨はじかげに俯居うつゐして
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
黄櫨はじの木かげに俯居うつゐして
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)