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創
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はじ
ふりがな文庫
“
創
(
はじ
)” の例文
新聞社の応接間に私を訪ねて「雑誌を
創
(
はじ
)
めることになったが、その初号から、岡本綺堂さんの半七のようなものを書いてくれないか」
随筆銭形平次:13 平次身の上話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「乱調は虚子これを
創
(
はじ
)
め云々」などと言って居る。今から考えると
可笑
(
おか
)
しいようである。漱石氏はその乱調を批難しているのである。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
新人が立ち、旧人は
趁
(
お
)
われ、
旧
(
ふる
)
い機構は、局部的に
壊
(
こわ
)
されてゆく。そしてまた局部的に、新しい城国が建ち、文化が
創
(
はじ
)
められて来た。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明治大学の
創
(
はじ
)
めに、母の里から三千五百円を持ち出して明治大学に貸した。私の前に二人男児を母は分娩したが、みな死んで生まれた。
お蝶夫人
(新字新仮名)
/
三浦環
(著)
新しいものを築き
創
(
はじ
)
めるのに多分の興味と
刺戟
(
しげき
)
とを感ずる彼女は、
際
(
きわ
)
どいところで、思いもかけない生活の弾力性を
喚起
(
よびおこ
)
されたりした。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
武野
紹鴎
(
ぜうおう
)
は、珠光に
創
(
はじ
)
められた
茶道
(
ちやだう
)
を、利休に伝へて大成させた中興の宗匠で、いろいろの逸話を残した人であるが、あるとき
茶話:10 昭和三(一九二八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
赤彦の
創
(
はじ
)
めた『切火』の歌風は、創作家の新感覚派に八九年先んじて出て、おなじ手法で進もうとする技工本位の運動であった。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
その式終りて後村人らにそのご馳走を施したところが、彼らはこの村
創
(
はじ
)
まって以来かかる珍味を得た事はないといって
悦
(
よろこ
)
んで居りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
今ここに会社を立てて義塾を
創
(
はじ
)
め、同志諸子、相ともに講究
切磋
(
せっさ
)
し、もって洋学に従事するや、事、もと
私
(
わたくし
)
にあらず、広くこれを世に
公
(
おおやけ
)
にし
慶応義塾の記
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
唐
(
とう
)
や
宋
(
そう
)
の頃にはよほど進んで来て居り、その後の元の
郭守敬
(
かくしゅけい
)
という人の
創
(
はじ
)
めた天元術というのは、
殊
(
こと
)
に名だかいものです。
関孝和
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
香苗の父は数年まえから新しい事業を
創
(
はじ
)
めていた、日本ではまだよく知られていない
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
の醸造を思い立ったのである。
春いくたび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それは
竹翁
(
ちくおう
)
と言って、橋本の薬を
創
(
はじ
)
めた先祖で、毎年の忌日には必ず好物の栗飯を供え祭るほど大切な人に思われている。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
子規が写生文を
創
(
はじ
)
め、細かく平淡なものを書いてゐた時であるから、「二日物語」の文章に厭味を感じたのであらうか。
結核症
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
春廼舎の加筆した『浮雲』第一編は別として、第二編となると全然従来の文章型を無視した全く新らしい文体を
創
(
はじ
)
めた。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
地曳
(
じび
)
き土取り故障なく、さて
竜伏
(
いしずえ
)
はその月の生気の方より
右旋
(
みぎめぐ
)
りに次第
据
(
す
)
え行き五星を祭り、
釿初
(
ちょうなはじ
)
めの大礼には
鍛冶
(
かじ
)
の道をば
創
(
はじ
)
められし
天
(
あま
)
の
目
(
ま
)
一箇
(
ひとつ
)
の
命
(
みこと
)
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
人々との会席の振舞やに芸術を
創
(
はじ
)
めるのでなくて、茶の湯を
嗜
(
たしな
)
むことが一つの風流であるように、歌を作ることにおいて文芸作品を創造するのでなくて
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
一たびマンダヴィルによって
創
(
はじ
)
められた利己心是認の論は、その後ヒューム、ハチソンその他の倫理学者の手を経て、ついにアダム・スミスに伝えられた。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
御養嗣逸人氏は園芸の研究家で、今世にもてはやされる福羽
苺
(
いちご
)
というのは同氏の
創
(
はじ
)
められたものと聞きました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
俳諧の千句は極めて興味ある如く思はるれども、古例なきがために自ら
創
(
はじ
)
むるに憚る所ありしに因るなり。
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そこで天帝は諸神の会議を召集し、特に鴉片煙劫を
創
(
はじ
)
めることにした。鴉片煙劫とは世間の罌粟の
花汁
(
くわじふ
)
を借り、
熬錬
(
がうれん
)
して
膏
(
かう
)
と成し、人の吸食に任ずるものである。
鴉片
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
もう一軒の地主である寺本といふ家では
濁酒
(
だくしゆ
)
の醸造を
創
(
はじ
)
めて、まだ十年と
経
(
た
)
たない
今日
(
こんにち
)
、家屋敷まで
他人手
(
ひとで
)
に渡してしまつた……といふ、そんな
噂
(
うはさ
)
や、それから
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
朝鮮の仕事の不思議さがまた繰返る。誰が法を伝え誰が形を
創
(
はじ
)
むのか。醜いものを誤っても作ることがないとはどういうわけか。だが栄えた時代は既に過ぎてしまった。
全羅紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
これらの四宗の長所を
摂
(
と
)
り、比叡山を開いて日本天台を
創
(
はじ
)
められたのですが、大師の独創として日本天台の宗義の中心となるものは、大乗円頓戒というものであります。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
『太平記』作者の
創
(
はじ
)
めた思い付きでなく、少なくとも三百年ほど前だって行われたものと判る。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
この時代において男子は女の家に行って婚を求め、結婚した後も男子は女の家に通うのみで別に一家を
創
(
はじ
)
めて
共棲
(
きょうせい
)
することはなかった。女の家に
入聟
(
いりむこ
)
となることもなかった。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
自分たち自身または自分たちの子孫のために財産をつむこと、一家をあるいは一国家を
創
(
はじ
)
めること、名声を獲得することにおいてさえ、われわれはやがて亡びるものである。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
いやもう、かの役、至極絶妙、極上々吉、歌舞伎道、
創
(
はじ
)
まっての
逸品
(
いっぴん
)
とでも申しましょうか。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
路は
緩
(
ゆる
)
い傾斜をのぼって草原の丘に伸びてゆく。その丘は何んでも平一郎の父の友人のある商人が、日露戦争後の起業熱のはげしい折に、鋳鉄業を
創
(
はじ
)
めた失敗のあとであった。
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
いつ、何びとによって、この制度が当地の郊外にある修道院で
創
(
はじ
)
められたかは確言することができないけれど、ここの長老職はもう三代もつづき、ゾシマはその最後の長老である。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
〔補〕里ザクラの大部分は彼の大島ザクラを原として発展し来った事は、今から十余年も前に私の
創
(
はじ
)
めて考定した事実である。私はその証拠となるべき原樹を相模の真鶴で発見している。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
云わばすべての物の
創
(
はじ
)
め——例えて云うと
伊呂波
(
いろは
)
のい、ABCのAなのだ。それから第二節——これが一番重要な点なんだよ。ねえ熊城君、それが
双生児
(
ふたご
)
を生み給えり、——なんだろう。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
加藤弘之氏が「真政大意」を作りて人民参政の権利を以て自然の約束に
出
(
い
)
でたりと論じ、福沢諭吉氏が西洋事情世界
国尽
(
くにづく
)
しの如き平民的文学を
創
(
はじ
)
めて天は人の上に人を作らずと
喝破
(
かつぱ
)
せしが如き
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
「君達も知っている通り、この会社は元来独逸人が
創
(
はじ
)
めたんだからね」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
樺太の半を
収
(
おさ
)
め、朝鮮を
併
(
あわ
)
せ、南満洲に手を出し、布哇を越えて米国まで押寄する日本膨脹の
雛型
(
ひながた
)
ででもあるように、明治四十年の二月に一反五畝の地面と一棟のあばら家から
創
(
はじ
)
めた私共の
住居
(
すまい
)
も
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
やゝありて始めて我に返り、思ふまじ思ふまじ、近処の手前も有り、三ヶ日丈け辛抱する例は、自ら
創
(
はじ
)
めしものなるを、今更破るも悪しゝ。其代り、四日の初釣には、暗きより出でゝ思ふまゝ遊ばん。
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
ところが意外にも支那に利権回復熱が高まり、米が
広東
(
カントン
)
に鉄道の敷設を
創
(
はじ
)
むるとこれを拒む。
独逸
(
ドイツ
)
が
山東
(
サントン
)
に鉱山の採掘を始むると、また躍起運動を開始してこれを拒み、いずれもその利権を取戻した。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
集中絶句の註に「コノ荘ハ薬師寺氏ナル者ノ
創
(
はじ
)
メシモノナリ。イマダイクバクナラズシテ転ジテ杵築侯ノ別業トナル。後ニマタ豪商ノ有トナリ
棄
(
す
)
テテ治メザルコト
殆
(
ほとんど
)
四十年、今遂ニ我ニ帰ストイフ。」
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかしてかの民間の有志者がたまたま独立の営業を
創
(
はじ
)
むれば、多くは中途にして種々の口実を設け、政府の保護を仰ぎ、その干渉をばみずから好んでこうむらざるものはほとんど稀なるありさまなり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
新しき宗教を
創
(
はじ
)
めむといふ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
あの方もたしか、中条流の鐘巻自斎という人のところで修行なされて、後に、一刀流という独自な流儀をお
創
(
はじ
)
めになったのですから
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
唯この句は芭蕉が、いわゆる芭蕉の俳句を
創
(
はじ
)
めるようになった一紀元を画するものとして有名だという説は受取り得べき説である。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
そう言えば、山田寺は、
役君小角
(
えのきみおづぬ
)
が、山林仏教を
創
(
はじ
)
める最初の
足代
(
あししろ
)
になった処だと言う伝えが、吉野や、葛城の
山伏行人
(
やまぶしぎょうにん
)
の間に行われていた。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
二十三、四歳のシューマンは、いつの世にも絶えない俗楽者流を
退
(
しりぞ
)
け、楽界に新鮮な空気と正論を迎え入れるために、同志と共に音楽雑誌を
創
(
はじ
)
めた。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
「お上から差遣わされた新しい衣服で斬られている、獄制
創
(
はじ
)
まって以来の異例だそうだ、左内は辞世の詩を詠み、笑って刑を受けたと感じいっておった」
城中の霜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その一事だけでも役所の仕事が平田派諸先輩によって
創
(
はじ
)
められた出発当時の意気込みを失ったことを語っていた。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
上田博士が帰朝してから大学は俄に純文学を振って『帝国文学』を発刊したり近松研究会を
創
(
はじ
)
めたりした。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
これ恐らくは蕪村の
創
(
はじ
)
めたるもの、
暁台
(
ぎょうたい
)
、
闌更
(
らんこう
)
によりて盛んに用いられたるにやあらん。
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
『嬉遊笑覧』に『遠碧軒随筆』を引いて、庚申の三猿はもと天台大師三大部の中、
止観
(
しかん
)
の空仮中の三諦を、
不見
(
みざる
)
、
不聴
(
きかざる
)
、
不言
(
いわざる
)
に比したるを猿に表して
伝教大師
(
でんぎょうだいし
)
三猿を
創
(
はじ
)
めたという。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
歌会の雅遊を風流としてたのしめないから
頑固
(
がんこ
)
で駄目だと後鳥羽院が『御口伝』に記された通りで、和歌の嗜みに風流をもとめず、和歌の上に「詩」を
創
(
はじ
)
めようとしたのであったから
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
哲人たることは単に精妙な思想をもつことだけでなく、また一派を
創
(
はじ
)
めることでさえなく、知慧を愛するあまりに、その指示にしたがって単純と独立と寛大と信頼との生活を生きることである。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
創
常用漢字
小6
部首:⼑
12画
“創”を含む語句
創造
創傷
創痍
草創
創痕
絆創膏
切創
創業
創作
創立
銃創
創所
創底
擦創
金創薬
創口
金創
手創
古創
刀創
...